【モリワキKYB】のオーバーホールと作業の紹介

 初めての作業依頼、モリワキKYBのリアショックを紹介します。

 組み立て手法が溶接のためオーバーホールは容易ではありません。溶接箇所を切り飛ばし機械加工により部品の組み立てを可能にし、今後の依頼にも対応できるように作り直しました。 

 雄雌のねじ切りを行いオイルシールのホルダを着脱式に改めます。こうすれば何度でも分解ができるため次回以降のオーバーホールはかなり価格を抑えられます。

古い製品なのでオイルの傷みは当然のごとく、激しい状態でした。

 特徴的なのは減衰力の調整です。
 一般的にはエンドアイなどにあるダイアルを回転させて調整を行います。しかしこのショックはエンドアイ自体を回転させます。そのため調整には車両後部を持ち上げて、リアショックの下部取り付けを外す必要があります(またはアッパマウントを外す)。

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 上の写真にある穴の空いた部品。これを回転させ位置を変更します。それにより穴の径が変化して減衰力も変わるのです。

 調整のクリックを生み出すのはボールです。

 完成直前の状態ですが窒素ガスも封入して、後は塗装を待つのみです。この状態でダンパーをストロークさせると問題なく減衰を発生し充分な反力を得られていました。

 バンプラバーもKYB純正を用いています。

 今回はバネの塗装を除く、加工と本体の塗装を含め税抜きで概ね20万円でした。

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