タイアの空気圧の違いを体感して遊ぶ。

サーキット走行ではタイアの空気圧の違いが、街乗りと比較してより顕著に体感できます。

GSX250Rでサーキットを走った時の感想などはこちらにまとめてありますので、ご覧ください。

規定の空気圧はサーキットでは基準としていません。使用環境が厳しく、加速減速を繰り返すサーキットではかなり発熱します。空気は熱膨張するため、温度変化で内圧も変化します。

この辺りは当然の知識だと思いますので、それほど深く話す必要はありません。

なぜ空気圧の調整が必要なのか?

タイアの能力を最大限発揮させるためです。タイアは規格で決められた強度や空気圧があります。この数値内で使用するのが原則です。

実際に使う場合の空気圧

空気圧は色々な考えや論理を持って、多くの人が持論を述べていますが、私も動画色々と話しています。

今回はサーキットで自分が走る際に、空気圧を自分の好みに仕上げる方法論を紹介します。

まず、明らかに高いメーカー指定の数値で走ります。それでどのように感じるかを確かめます。数周で温まりますので、ピットインして圧力がどれ程上昇したのか確認します。

私は現場でも会社でもブリヂストンのタイアゲージを用いて測定します。近所のファクトリーギアで定期定期に調整も行います。

そこから更に走りタイアの空気圧が高止まりしたかを確認して、徐々に下げてゆきます。

例えば2.5kgf/cm²(以下K)から始めて2.9Kに上がったとします。ここでは一気に2.5Kまで下げて違いを体感します。

ほとんどの方はその差を感じ取れると思います。ツルツル、ピリッとした印象からフワッとしっとりした印象に変わるはずです。

そこで次は2.2~2.3K程度まで落とし、また違いを感じ取ります。これを繰り返して自分が許容できる上限と下限の空気圧を確認します。

下げすぎると柔らかく穏やかであるが、ダルくて曲がらない車両になります。

乗り心地とタイムは別の話

四象限で考えます。

横軸の上に好き、下に嫌い。

縦軸の左に遅い、右に速い。

これで好きな空気圧を見つけ出した後に、速く走れる空気圧を見つけます。順番は逆でも大丈夫ですが、好き嫌いを最初に持ってきた方が、安全に思います。

右上の好きで速い領域に辿り着ければ良いのですが、サーキットならば嫌いでも速い方が良い場合もあります。

一番悪いのは好きで遅いです。なぜなら伸び代がありません。嫌いで速いなら改善の余地があります。

本来最も目指すべきは右下の嫌いで速いだと考えています。そこから更に改善して一段上を目指します。または右上の好きで速いのバランスを崩して、一段上を狙います。

タイアの空気圧に限らず、サスペンションセッティングにおいても、このように良いところを見つけて落ち着いてから、再度均衡を崩し上を目指すのが速く走るためには必要だと思います。

タイアの形状ももちろん重要

かなり重要な要素ですが、消費者である私たちにはメーカーを選択する権利はありますが、自分の好みを反映させる権利はありません。

タイアの尖り方は車両の反応を大きく変えます。スポーツ志向のタイアは機敏だし、ツーリング向けはゆったりとした操舵性となります。これはラウンド形状に大きく影響される部分ですが、空気圧を含めた剛性でもかなり変化があります。我々には後者の空気圧でこれを変化させて好みを探る事が可能です。

タイアが主役なのかと感じる

タイアの形状に対する依存度が二輪車は高いと思います。ブレーキがフロントフォークのセッティングに与える影響と同様に、タイアの感触に合わせてサスペンションを作り込む必要があります。

サーキットばかり走っていると主役はタイアなのではないか?と感じる事がしばしばあります。もちろんそれら全てが合わさった複合体に対する評価とは理解しつつも、どうにもタイアの影響が半分以上あるような気がします。

しかし銘柄を固定するなら空気圧程度しか変更できませんので、サスペンションの役割が増します。

と言うわけで、今回はこれにて失礼します。

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