デイトナ675の前後ショック

 O/Hと試乗セッティングを依頼頂いてましたが、せっかく預かったので前後とも仕様変更を行いました。

 フロントフォーク

高速の減衰調整も可能。

 予算の都合で部品交換は出来ないために、細かい部分に手を加えてゆきます。フロントフォークのスプリングは1.05Kgf/mmと硬いため、なんとか動かしやすく出来ないかと思案した結果、入荷時の実測85mmだった油面を120mmへと深くしました。

 これにより意外なほど大きく動き、良い感触を得られました。突き出しは入荷時4mmを5mmへ変更してイニシャル調整時の高さと上手く合うように小変更。

 リアショック

こちらも高速の減衰が調整可能。

 リアショックもバネ変更が出来なために、なんとかリアを入れたい(沈むようにしたい)。と考え圧の減衰特性を変更。シム組を変えてスッと動くようにしてあります。

 減衰とバネの関係は密接で、基本はバネを先とし減衰を後とするのが私の手法ですが逆もまた真なりで、今回は(予算の都合もありますが)減衰でなんとか良い塩梅に仕上がりました。

 試乗

かなり楽しく仕上がりました。

 前後ショックのセッティングとは、フロントフォークとリアショックを使って車両の動きを好みに合わせる事です。

 バネで高さと動く量を制御し、減衰でその速度を演出します。実際に乗っての話しは明日以降に動画で説明しますので、興味のある方はそちらをご覧ください。

 その他の微調整

ブレーキレバーの高さがやや上向きだったので下向きへ調整。
クラッチ側もやや下向きだったので、こちらも上方向に向けました。
アクセルの遊びはほんの少し大きかったので、詰めました。
チェンジペダルが盛大に上に向いており、こちらは下へ向けています。

 バネを交換しなくとも、なんとか良い感触を得られるようになり、作業者としても満足していますが、なによりお客様にも喜んでいただけると確信しています。

 「~でなければ駄目!」ではなく、もてる材料でなんとか調理して良くするのも調理人(整備士)の腕の見せどころなので、今回の依頼は良い仕上がりだったので安堵しています。

 料金の合計は脱着作業、部品代、セッティング費用を含め税込みで15万円ほどでした。

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