電制の仕組みを学習

 電制の細かい仕組みを理解したいというよりも、電制の技術解説を見ることでパッシブ(受動)回路の問題点を浮き彫りにし、それを自社で改善可能な技術を投入してお客様に提供するのが主な目的です。

 そういった訳で最近の学習題材にしているKYB技報2017年10月55号から内容を紹介します。

 特に面白かった部分として調整弁の流れを一方向に保つため、通常のツインチューブに追加で中間パイプを設けている点です。

 これの何が面白いのかと言えば、ピストン上室(オイルシール側の事)を常に高い圧力に保つ点です。

 減衰装置は、例えばリアショックが沈み込む工程において、ピストン上室(リザーブタンクがあればそちらの方向)は高圧になり、下室は圧力が下がります。そうなるとキャビテーションが発生する可能性も高まり、ガス圧をより高める方向になり、実際に私が実験した結果はモノチューブでリザーブタンクのガス圧が6Barを下回り4Barにまで下げると動きに明らかな異常が認められました。

 他にも私自身にとっては新たな発見がありました。
 同技報の電制ショックは圧力制御を行っているそうですが、二輪車のパッシブ(アクティブであっても)その殆どは開口面積制御だからです。

 環状隙間の調整とは面積の大小と言い換えられます。面積制御ではシステムが複雑化するなど課題が多く制御が複雑で難しくなるとの理由から、圧力制御を選択したとあります。

 電子機器への理解が乏しい私ですが、今回もその点(ソレノイドまたは調整ニードル)について興味深い機構を発見しました。ディザと呼ばれる法則をソレノイドの制御に用いているそうです。

 私にこのディザを説明する力はありませんので、天竜丸澤株式会社さんの説明を参考にして下さい。技報ではソレノイドの動作にディザを取り入れより緻密な制御を達成しているそうです。ウィキペディアの説明も面白いのでぜひご覧ください。

 短くはありますが、今回はここまでです。

 

 

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