2台の評価

 Z1とトリッカーが持ち主の手に渡り、評価を頂きました。

 Z1は少々硬く感じる部分はあるけれど、安定感が大きく増しとても良くなったと評されました。安定感に大きく寄与するのが、リアのWPに入れたトップアウトスプリングです。リバウンド方向で作用するこのばねのおかげで、リアタイアが路面から離れるのを抑制し、リアブレーキの利きも良くなります。タイアが路面から離れずらいという事は、転倒しずらいのと同義なので安定感を感じるのだと思います。

 Z1に付いていたWPはメーカー出荷の仕様で、ばね定数は硬すぎ、減衰は圧・伸びともに過減衰でした。それを適正にし、トップアウトスプリングを追加した上に、ロッドはSGSA14で太くしたことで剛性も少しですが上げられ、ダンパーの動作を滑らかにさせられたので、乗り味も大幅に良くなったのだと感じています。

 前後ともスプリングレートをもう少し変更したいので、次の課題とします。年末から春先にかけスプリング交換に着手し、より上のバランスを模索します。

 フロントのカートリッジは伸びと圧を調整できる利点を最大限に活かし、ブレーキから旋回にかけて望み通りの沈み方を演出できました。ばねの硬さをもう少し柔らかくしてプリロードを掛ければ、沈み込みから伸びまで好みになりそうなので、0.75kと0.7kを試しす予定です。

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 トリッカーは減衰の不足が一番の問題点と捉え、そこを主眼に作業を進めました。

 フロントはオーバーホールで消耗品の交換が主な作業内容でしたが、オイルを15番とし油面を155mm、カラーを製作し4mmイニシャルを足しました。リアにはFGを投入したので、ばね定数や減衰はかなり満足できる仕上がりとなりましたが、物足りないフロントに合わせセットアップを行ったので、フロントフォークにカートリッジを追加した暁には、かなり高度なバランスを得られると思います。

 結果として、前後ホイールがセローに替わっている事もあり、オフロードバイクとしての性能が格段に上がりました。特にフロントの安定と、速度域が変わっても変わらなぬ操安を得られました。

 人によってはもう少し軽快性を欲する事もあるでしょうが、リアの伸び減衰を2~3クリック抜けばかなり改善するので、調整式のサスペンションの有難さを実感しています。これは上記のZ1でも同様ですが、調整のあるサスは上手に使えばバイクの楽しさを倍増されられますから、皆様もぜひ試してください。それで困った時には電話してください。

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