BMWの【S1000XR】をシート高40mmローダウン

 S1000XRのローダウン依頼があり作業を終えました。

 これまでに何度もブログ動画にしていますので、そちらも参照して下さい。この車両でも新たに動画を撮るつもりです。

 概要
 1 フロントの加工
 2 リアの加工
 3 価格

 概要
 下げ幅は40mmです。この数字には根拠がありますが、それはサイドスタンドの傾きです。ノーマルは傾斜角が大きくバイクを起こすために意外と労力が必要となり、40mm下げるとバイクの倒れる角度が程よくなり、スタンド加工が不要なので金額が若干安く抑えられるといった理由が大きく上げられます。

程よい角度になります。

 1 フロントの加工
 2019年型からショックメーカーが変更されマルゾッキの前後ショックを採用しています。

電制ショックは配線処理に時間を要します。

 フロントの下げ幅は30mmですが、突き出しやイニシャル設定で乗車1Gでの沈下量を確保して、下げ幅40mmを達成します。

 純正のバネ定数は柔らかく、ストロークの長いフロントフォークならばまだしも、ローダウンするとなれば吸収力不足となります。

白い樹脂がローダウン加工のカラー。

 そこでバネを交換しその点を解消します。バネは自社で設定したオリジナルスプリングにしています。

 このバネ交換のお陰で動き出しからストロークエンドの踏ん張りを両立させられます。

 電制部分ではなくピストンとシムで減衰設定の変更も可能ですが、今回はフロントには手を付けません。

減衰を発生するピストン部分。今回は未着手。

 2 リアの加工

 リアはレバー比があるので、下げ幅の計算が必要です。実車から測定し社内データとして残してあるため、問題なく作業を進めました。

バネ交換は必須です。

 ローダウンにはストロークのショート加工が必要なため、バネ交換により充分な吸収性を確保します。

 スプリングは価格を優先し日本のスプリングメーカーSwift(日本発条)製を用いています。他のメーカーでも良いのですが、使い勝手と価格の両面から同製品を選びます。

リアショックの内部。

 内部の電子制御はフロントと同種です。リアに関しては減衰変更をシムで行いました。

 ロードとダイナミックでは変化量が大きく、中間の動きが欲しいための措置です。この狙いは功を奏し良い動きをするようになりました。

 3 価格

ストロークはやや短いものの、充分な動きをみせます。
社外サイレンサも小気味好い音量で、好ましいものです。
最近流行の色味ですね。

 金額は車両を預かり、前後ショックの脱着を含め¥244,200でした。

 下げ幅や操舵性の仕様により、価格は変動しますが概ね上記の価格が基準値となります。下げ幅は最大でシート高60mm位までなら、何とかなります。下げ幅と操舵性の両立については相談して下さい。

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