BMWをG310のローダウン シート高で40mm

 以前にも何台か作業経験のあるBMW,G310のローダウン依頼が新たに入り、作業を進めました。

 シート高で40mmは下げる予定です。

 ほかのローダウン作業でもブログに書き記しましたが、狙った下げ幅に対してショック長をそのまま短くしたのでは操舵性と乗り心地を大きく損ないます。

エンドアイを短く切り詰めて、車高を下げます。

 G310の前後ショックは日本のKYB製です。メンテナンスのための部品を入手しやすいのは助かります。今回はO/Hではありませんでしたが、必要な部分を採寸してさらなる改造を行う場合に備えました。

 フロントフォークの分解
 最近の低コスト化の流れから、ブレーキキャリパのある方は減衰を発生していません。他方、右のフロントフォークは減衰を発生するカートリッジを備えています。これも改造すれば調整式に改めることも可能です。予算に余裕があれば左右フォークを調整可能にも出来ますが、車体価格と比して割の合わない金額になる(25万円前後)なので要望は少ないでしょう。

 話は逸れましたが、ブレーキキヤリパのあるフォークは特殊工具がなければバネの脱着が叶いません。

中央の4つ穴の部品を外さなければ、バネを抜き出せない。

 初めて作業を行った時に特殊工具を自作しました。ロックタイトの赤を用いてかなりシッカリと廻り止めがなされているため、簡単には回りません。分解には特殊工具が必須です。

 純正スプリングを自社の器具で実測しました。その結果は0.35Kfg/mmとモトクロッサーやトレール車両よりも極めて低い数字で驚きました。その代わりにプリロード量が50mmと驚くほど圧縮してあるために、気を抜くと部品が吹っ飛び怪我をします。

 ローダウンのためにバネを硬くする必要があり、分解を行い交換するためのバネに合わせたカラーを造りました。

樹脂カラーを製作。
バネはオーリンズを選びました。

 ローダウンすると大抵はストローク量が現象します。そのためバネを硬くするのですが、そのままではガチガチになってしまうため、それを解消するべくプリロード量を調整し、油面も大幅に変更してあります。

 リアショック
 リアショックのローダウンは本体を分解せずエンドアイの加工で対応しています。その方が金額を抑えられます。

 やはりリアもバネ交換をしていますが、こちらは硬さと初期荷重を合わせるために短めのバネを選びました。

贅沢にもリアのバネもオーリンズです。

 バネでセッティングを詰めてゆけば、低予算でかなり良い乗り心地を作り出せます。

組付けての試乗が今から楽しみです。

 明日には試乗と微調整を行う予定なのです。実際に取付けて細部を詰めると走安性が大幅に向上しますので、ショック本体だけでなく取付けた後の運用の面でも気を抜けません。

 試乗を済ませ次第、動画とブログにまとめます。

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