ルノー、ルーテシアGTに試乗
お客様の車両が入庫し、車で30分程度の場所にお住まいなのでBMWの320iで送ってきました。
四輪の乗り味について話をしていたところ、お客さんがお持ちのルノー・ルーテシアGTに試乗してみませんかと提案頂き、喜んで運転させてもらいました。
最初に気になる点から上げると、ハンドルの軽さ、ハンドルを入れていった際に左右で車の動きが違う、ブレーキペダルの無効ストロークと踏み応え、アクセルペダルの反力の弱さなど、物足りないというか不満に思う部分もあります。しかし、車の仕上げは、これまでに乗ってきたFF車の中で群を抜いた仕上がりでした。
ブレーキを強く踏んだ時に起こるピッチングは前がスッと沈み、リアの伸び減衰は強めですが硬くないギリギリで、リズムを取りやすい感触です。前がドカーンと沈み、リアがポーンと跳ね上がると、ハンドルを切るタイミングが一瞬しかなく素人には扱いづらいと感じます。その時間が程よいために、旋回へのアプローチが行いやすく楽しいです。
交差点で少し強めの減速から、ハンドルを素早く切るとFF車にありがちな頭の重さを感じさせず、綺麗に鼻先を入れながら曲がってゆきます。しかも、前後サスが均等に揃って動き、ロールが綺麗に感じ取れます。以前試乗したマツダ・アテンザはFF車の悪癖をかなり上手に消していましたが、消し切れていない。ルーテシアGTはその悪癖をほぼ消し去っていました。あの車両のまとめ方は非常に秀逸です。フォルクスワーゲンは、FF車としての動きを消さずに高級感をどうやって演出するかに腐心しているように思います。ルノーは高級感の演出ではなく、運転した時の楽しさを追求してたどり着いた結果が、あの乗り味になったのだと読み取ります。
最近は電子制御が進化したので、減速時にリアブレーキを独立制御してFRの様なエンブレ感を演出できない物でしょうか。軽い減速ならばリアがロックすることもないので、アクセルオフのブレーキペダルを踏まない減速ならば、そのような制御も面白い気がします。本質論からは離れますが。
トヨタのC-HRはフラットライドとかカーペットライドと呼ばれる、フラット感により乗り心地を演出していましたが、ルーテシアGTはしっかり荷重を感じさせながらも、動く物を動いているように感じさせないフラット感でした。
6ATはデュアルクラッチで一瞬でギアが変わり、レーシングな雰囲気も感じますし実際の運手もとても楽しいです。
カミさん用の車に買って、自分で乗りたい。と思うような車です。いつか機会があったら買いたい車です。