ムルティストラーダ、試乗と納車。

 一昨日に仕上がり、サイドスタンドの長さを調節し最終試乗を終えたドカティのムルティストラーダを無事に納車し終えました。

 ただいまは、東大阪の宿にてブログを書いております。

 数日中には動画で話したいと思いますが、ここでは大まかな内容をまとめ動画の導入とします。

 変更点
 お客様の依頼であるインナーチューブのコーティングを行ってあります。オーリンズをイメージしたゴールドです。これで動きはかなり滑らかになります。しかもムルティストラーダはインナー径が48mmと太いためにゴムとの接触量が大きいので、効果は大きく出ます。

 シート高を下げるため機械的に40mmサスペンションを縮め、そこから人間が乗って沈下する量も増やした事で約50mmの下げ幅としています。
 この下げ幅によりサスペンションはロードスポーツ程度のストローク量となりオフロードの外観を持ったスーパースポーツとなりました。
 MT-09などが直接の敵となるのでしょうが、それと比較してもパワフルなエンジンと併せ引けを取らない車両にできたと思います。

 やはり肝はバネ定数

 やはり大切なのはスプリングレートです。純正のフォークスプリングを測定しましたが、0.65Kでした。この車格としては極めて柔らかい。ちょっと使えない程です。
 そこで0.8Kを超える値を選定しました。

 リアスプリングは悪くない定数です。しかし圧縮量(イニシャル・プリロード)が多すぎて、ただただ硬い。10mm近く過剰だと感じました。

 サイドスタンド

 元々傾きの大きいバイクなので、サイドスタンドは下げた車高ほどは短くする必要はありません。純正は足を引っ掛ける突起の形状が好ましくないため、一般的な出っ張り棒にして乗り手に楽をさせるように改造しています。

 今回は総額40万円強の金額でした。インナーのコーティングがなければ30万円前後ですが、それでも決して安くはありません。ただし金額に見合った素晴らし走りを実現できました。
 減速、旋回から加速まで交換したバネの恩恵で、あるべき車高を保持します。お試しで作ったフロントフォークの減衰発生機構も少しは役に立って面白効果を生み出しています。

 今年は30〜40万円のサスペンション改造を多数依頼を受けましたが、一台一台、良い仕上がりにできて嬉しく思います。動画にまとめたらまた報告いたします。

 

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