伝える難しさ

 筑波選手権に金曜と土曜日の二日参加しました。

 金曜の練習走行は終日レインコンディションで、NSFの埜口遥希君は着実な走行を重ね、前戦鈴鹿からの感覚を上手に筑波へ切り替えられたようです。レインのセットも悪くないところが見つかり、良い走行内容でした。

 迎えた土曜日、予選は1分1秒299で3番手。実力通りの内容で良い結果とは申しませんが、悪くもない予選結果でした。その後サスセットやギア比など、全体として大きめにセットを変更し臨んだ本選は、最高のスタートを決めライダー本人が考えていた展開で、自己ベストを0.5秒程度も縮め2位争いを展開していたのですが、1コーナーで仕掛けそれが失敗し前車と距離が開いてしまい、周回遅れの車両の動きに驚き2ヘアで転倒し、再スタート後に再度転倒し、結局リタイアとなってしまいました。

 今回の転倒は、前戦の転倒の延長線上にあり、それを予期しスタート前に二言声をかけたのですが、本人には伝わらなかったようです。一般に若い時分は失敗し、それを糧にすればよいなどと申しますが、映画監督の押井守氏の著書にあるよう「若いころの失敗は取り返しがつかない事が多い、年齢を重ねた失敗は社会的地位や経験から誤魔化せるが、若いときはその逆」という趣旨の文章がありました。

 道を間違えるのと同様に、角度がついた物は距離が進むにつれ、取り返しのつかない事態に発展します。だから細かい修正を重ねながら生きていかなければ、小さな綻びが破綻を呼ぶのだと考えます。賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。私自身は明らかに後者で、体験を通して体感することで、歴史をしりました。若いライダーには賢人になってもらい、先人の言葉の重みを知ってもらえれば、臨んだ人生を進めるのではないでしょうか。

 本当の愚者は歴史にも経験にも学ばず、体験や経験からも実感を得られない人のことをいうのだと思います。

 遠路応援に来てくださった多くの方に、楽しんでもらえるレースを提供できるように、甘えを排除し更に上を目指し一層努力します。

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