オイル漏れ、保証、問題解決

 ダンパーを扱っている限り、逃れられない問題があります。

 オイル漏れと作動不良が代表的な2点です。そのほか、この時期は忙しいため納期遅れも起こりやすくなり、依頼主の方には迷惑を掛けてしまい、申し訳なく思いっております。

 オイルが漏れる理由は定かではありませんが、自社製のSGSAではオイル漏れの問題は起こっていません。数年前に再メッキに不良が出て、顕微鏡を購入して検証した結果、旋盤で言うところの「切り込み量と、送り速度」に問題があり、表面に大きな欠陥が見つかりました。この点はメッキ業者さんと情報を共有して、解決できました。オーリンズのように、作動性を優先するとオイルが漏れやすいのも事実ですが、動きの良さを優先順位の上位に置くと、仕方ない事かと考えます。

 先日起こった作動不良の問題は「オーバーホール前よりも良くはなったが、どうもサスがポワンポワンする」といった内容でした。これは組み方に問題はなく、実験した結果、オイル粘度の変更で対応できました。初回の作業時に、内部の錆が多いと報告を受けていましたが、超音波洗浄と表面研磨を行っても解消していなかったようです。シムもピストンも表面に欠陥が発見できず、シリンダー内壁の研磨も行い、前述のオイル粘度で根本的な解決をみました。この問題はかなり大きな事件なので、今後も気を抜かずに、観察したいと思います。

 WPのオーバーホールに際しても、ダンパー本体でなくホースとリザーブタンクの連結部、バンジョーボルトからオイル漏れが起こった事もあります。これはWP社の特殊な作りに惑わされ、銅ワッシャの選定を誤ったのが原因でした。

 綺麗ごとばかり書かずに、起こった問題と解決方法も記して参ります。