XJR1200のフロントフォークO/H

 個人のお客様からXJR1200のフロントフォークを依頼いただき、オーバーホールを行いました。

 初期型はカートリッジの無いフォークのため、極めて単純な作りです。数十年前のチェリアーニ式勃興期の方が、むしろ複雑な仕組みで多機能を追求していた様に思います。その後高機能はカートリッジ式になり、安価に作る場合はピストンバルブ型で落ち着いた様です。

 写真のフロントフォークはピストンバルブ型です。この形式は仕組みが簡単なため部品点数も少なく、工賃も安いのでこれは大きな利点です。性能面では大雑把な制御しか出来ませんが、性能維持は割と容易です。理由を説明すると、構造の限界からガッチリとした減衰を生み出す設定にないため、オイルへの攻撃性(負担)が少なく済む結果、長持ちします。

 反面、狙った動きを作るのはかなり難しく、込み入った動作はほぼ得られないと断言できます。そのため競技用に限らず運動性や乗り心地を追求した場合、カートリッジ式を選びます。ですが、サスペンションの優先順位はバネ定数、長さ、バネに対する減衰の比率で最後に伸びと圧の比率となります(私は考えます)。ですから、簡素なピストンバルブ型でも設定次第で驚くほど楽しいバイクを作ることが可能になります。

 皆様も、良質なオーバーホールに加え、楽しいバイクを求める方は当社に連絡ください。

 

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