CBR650Rの30mmローダウンが進んでいます。
ホンダドリーム様から依頼を頂いた、新型CBR650Rで車高を30mm落とす作業が順調に進んでおります。
フロントフォークは右のみにカートリッジが在り、減衰力を発生します。反する左側はスプリングだけで、オイルと油面のみでセッティングされます。左右で違う内部部品を有するために形状の違う部品を削り出し、ショート加工を済ませました。
前後ショックのバランス感は悪くなさそうでしたが、スプリングと減衰の調合がしっとりさせる事を重視し過ぎて、バネ系を弱め減衰を強めてしまう、一番わかりやすい罠にはまっている様に感じます。そこで、スプリングカラーを切る量と、シム組をほんの少々変更しパリッとした中にもしっとりした動きを感じられる様に、演出しました。
このフロントフォークは本当に面白く、左右で減衰発生機構の有無、左右でバネが全く違うなどこれまでにない作りのフロントフォークでした。左フォークに減衰機構がない事をスプリングで何かしら補おうとしている様に見受けられます。
リアショックはエンドアイを加工し、切り詰めました。当初は数種類の手法を用意していましたが、旋盤で終わらせられる内容で助かりました。リアショックもシム組を変更すればもっと良くなるはずです。
後は残すところサイドスタンドを短く切って先端を溶接するだけとなりました。この前後30mm下げの内容であれば、車両持ち込みで約13万円程でしがります。前後ショックを組み直し動きを良くさせつつ、減衰とスプリングの見直しにより乗り味の向上を図る場合は、30万円近くなりそうですが、十分にその価値のある車両だと感じました。
細部を検証しましたので、リアショックの新造も可能です。それにフロントフォークの改造。これは左右カートリッジ化に加えトップキャップ の変更で減衰調整とプリロード変更を可能にすることも可能です。
純正でも右側のみカートリッジ(減衰発生機構)が在りますので、これを調整式に改める事も十分にできます。
リアショックをFGでオーダー制作し、フロントフォークを左右カートリッジ化した場合、約45万円を見込みます。
さらにフロントフォークにオーリンズのFGK、FKRシリーズを組み込みスーパースポーツと同等に仕上げるのも楽しそうです。この車両は純正状態ではそれほどお金の掛かったサスペンションでは在りませんが、特にフロントはベースが良いので改造によりどれだけ上質な動きが出せるのか楽しみです。
楽しいバイクに乗ってみたい方は、ぜひ問い合わせください。