念願の優勝
鈴鹿サーキットで週末に行われたNGK杯に参加しました。
J-GP3クラスで埜口遥希選手が優勝し、松山拓磨選手は20位。
CBRドリームカップでは桜井芽依選手がクラス7位となりました。
56レーシング、56デザインスポルト通じ6年かけ念願のNGK杯優勝を勝ち得ました。日立オートモーティブズ・シケインの内側から観戦していましたが、GPも走った藤井選手と終始競り合ながら、最後にシケインで前にでた瞬間が、優勝よりも心に強く残りました。今年は筑波や茂木では転倒に終わったレースも、見た限りではかなり走りに幅があり、昨年とは比較にならないほどの進歩を感じていましたが、今回の結果は他のライダーと比較して、当然ともとれるものでした。これほどの目に見える差を見せつけた埜口選手には脱帽です。
松山選手はNSFで筑波を始めて走ったレースでは、まだまだ足りない部分が多かったのですが、走るたびに成長していました。NGK杯でも初日、二日目、決勝と走りがどんどん成長するのを、私のような走りの素人でも目に見えて分かりました。とても楽しみな逸材だと思います。
櫻井芽依選手は全日本併催で優勝しており、期待して週末を迎えたのですが、走行一本目でタイアの問題を抱え、それらの確認と足回りのセットを再度確認するべく2本目の走行に入ってすぐに、他車と接触し走行が全くできない状態になりました。怪我もあり、満足な状態ではなかったものの、予選は無事に通過しました。納得の出来ない発車順ではありましたが、そこから上位を狙い詰めのセットを施し本番を迎えました。レースは順調なスタートで少し順位を上げ、集団の戦闘で頭争いを演じました。結局は集団の2位、クラス7位でレースを終えました。5年間の集大成としては本人も悔しい気持ちがあったかもしれませんが、満足な走行が出来ずに車両も仕上げられずに走った決勝で、しっかり攻めの走りを観ることが出来ました。
NGK杯の優勝はチーム設立からの目標であり、私もずっと待ち望んでいたのですが、その瞬間は特別な高揚感がありませんでした。昨年の埜口選手の鈴鹿優勝、桜井選手の筑波優勝、松山選手の筑波優勝に対してはかなりの高揚感がありました。今回の鈴鹿優勝は付き物が落ちたような感じです。例えるなら私はイタリア旅行が好きですが、イタリアへ着いた高揚感と、帰国して空港を後にする気持ち位に興奮の度合いが違います。むかし、ウェイン・レイニー選手の記事を読んでいた時に「チャンピオンになっても満足感はなく、もっと勝利を渇望する」といった内容がありました。優勝は嬉しいのにそこには何ない感じがします。その正体を探る為にもまた活動して行きます。
来年のチームの動向は未定ですが、この優勝を皮切りにして、一段上の感覚でレース活動を手伝いたいと思います。