フェッラーリの助手席

 今日は埼玉県の456GTの修理業、㈱ハシモトさんに伺い、456GTの助手席でフェッラーリを体験しました。

 助手席でもかなり多くの事が分かりました。私はフェッラーリに対する先入観があり、同社の車はエキサイティングだが、どこか荒々しく精緻に造り込んだ印象を持っていませんでした。乗って分かったのは、かなり車を理解しているうえに、それを具現化して販売できるだけの高い能力を有したメーカーだという事です。

 F1で何度もチャンピオンを獲得した会社に対しては失礼ですが、こんなに高い能力があるとは全く想像していませんでした。具体的になにが優れているのかと言えば、車として全体のまとめ方、パッケージングがかなり秀逸です。乗車位置、ホイールベース、エンジン搭載位置、ドライサンプ、トランスアクスル、ダンパーの作動感、Aピラーの位置、ブレーキ(サスペンション込みで)の作動性。全てにおいて高次元でした。

 割と速度のでるコーナーでギャップを踏んだ際のいなし方は、ダンパー含め相当高度な動きでした。サスは動きながらも一発で挙動を抑え、しかも衝撃は殆ど受けません。

 ㈱ハシモトの代表吉川さんに色々教わったのですが、モノコックフレームでなくラダーフレームだそうです。実際に分解中の車を確認したのですが、角パイプが見えました。

 旋回中に感じるフロント周りの動きと、アクセル開での動きはまるで二輪車でした。

 横に乗っただけの試乗でも分かったのは、私が造り込んだバイクはこの456GTと同じ種類の乗り物です。安定感と軽快感のバランス、ギャップなどのいなし方、ピッチング(ノーズダイブ)の動きなど、全てが同じに思えました。つまり、この車の乗り味に感動は覚えませんでした。なぜなら知っている種類の性質だったからです。しかし、逆に自分の車造りは世界の最上と言われるメーカーと同種だっと知り、そこに共感と共に自信を持ちました。

 翻って、私がこれまでに依頼を頂き、車両丸ごと私の好きに調整させてもらったバイクは、このLa Ferrari 456GTと同じ感動を得られる乗り物になっています。それはトリッカーでもZ1でも、CB1300SFでも全て同質です。

 そこでまた分かったのは、二輪車は非常に安価に、フェッラーリと同じエキサイティングと質感を得られるという点です。

 写真の456GTは今後フロントダンパーの改造を予定しています。またこの様な機会を得て、自身の知見を広めたいと思います。

 

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