今日と明日はサーキット
今日は朝から筑波サーキットへ行きました。
おなじみの56レーシングとKISSレーシングのサポートです。56は梶山さんと田中さんの両ライダー。KISSは松岡さん一人です。
1本目の走行を終え各ライダーの話を聴きました。最初に中野監督に走行の印象を伝え、各ライダーの走行印象を確認したら中野監督と(当社を昨年末に退社した)大槻さんと方向性を定め、実際の変更値は大槻さんが決めて行くという手法です。
KISSレーシングの松岡さんとは初対面でしたが、走行を観たこちらの印象とライダー側が感じている問題点をすり合わせ、気になった点をティーフメカニックのファイアーガレージ代表飯高さんに伝え、変更の提案をし、それが了承されると、例えば私が「1回転半」と提案した数字に対し「1回転」にする等の飯高さんの経験値を加味した変更が加えられます。
2本目の走行前に一ヘアへ向かう私を追いかけてきた梶山さんと、56所属でタレントカップを走る松山琢磨さんの走りを眺めました。そこで松山さんの向きの変え方を紐解きその利点を伝え、練習走行とは一体何なのか?といった本質に迫る議題を提示し、彼女の考え方を自分で問い直してもらいました。
果たして2本目の走行は明らかな意図を持った走りを見せてくれました。これはどういった意味かを申しますと「なぜそのラインを取るのか」「なぜそのライダーの後ろに着くのか」など、一つ一つに説明のつく行動を取るということです。中野監督、助監督の後田さん、観ていてくれた世界チャンピオンの坂田和人さんたちが梶山さんの走りが良いと褒めていました。
3本目の走行は2本目と変わらずしっかり考えた走りをしているのは観て取れました。明らかな変化があったのは走行も残り五分となった時です。一ヘア進入の向きを変えが、松山さんと同質の走りを見せる様ななったのです。それからの4〜5周はその走りを続けていました。
この回も一ヘアで観察していたところ、坂田さんが地方選で名の知られたライダーをわざわざ呼び「さちかの走りいいんだよ」と言いながら分析している姿を認めました。
走行後にライダー本人に最後の数周で走り変えたでしょう?と確認したら「そうなんですよ!わかりますか?」と喜んでいました。まだ感覚をつかんだ程度だそうですが、この走りができているならば優勝を目指すと言っても絵空事にはなりません。明日のレースが非常に楽しみになってきました。
問題は田中さんです。走行を観察し筑波を走るライダーの典型的な罠に陥っていると感じました。本人にはどの様にタイムアップをはかるのか、どの様に問題解決を進めるのかを問いました。
その答えば具体性を欠いたボンヤリとしたものであり、そのため、何を、どの様に、いつ、解決するのかハッキリと言葉に出してもらい、その事が本人の目的意識を明確にすることを助けると実感してもらいました。3本目は車両トラブルで走行が儘ならない状況のため、4本目に持ち越しとなり、私も事情があり走行を見る前に帰路に着き、その後の走りは確認していません。したがって明日の予選が楽しみです。
社会人となり仕事を始めると、問題解決の毎日となります。20年以上も前に「問題解決法」を父から口授されたのは私の幸運かもしれません。それをライダーに伝え、彼らの問題解決の一助になれば僥倖と思います。
今年に入ってからは大槻さんがティームを助ける関係で、私が実際に手を動かす(工具を必要とする)場面が皆無です。これは私が望んでいた状況でもありますし、ティームにとっても良い事です。初めて参加した7年前に考えていた事が実現できました。
そのため私はコース脇からライダーを観察し、エンジニアやメカニックに対し意見を伝え、その情報をもとにティームとして判断し方向を定めています。素晴らしい枠組みが出来上がったのではにかと考えいます。明日の本番も楽しみです。