エア抜きの重要性を説く
みなさまおはようございます。
私共、セイクレッドグランドは常々エア抜きの重要性を俎上に載せています。これはなぜかと言えばダンパーの性能を保証する上で、エア抜きはその第一段階にあたるからです。例えばブレーキの良し悪しを語る際、ブレーキライン内のエア抜きが完璧かどうかを論ずる方はほぼ皆無です。これはエア抜きができていて当然という前提条件の先に、パッド、キャリパ、マスタ、ローターの良否があるからです。
ダンパーも同様で、エア抜きがしっかり出来ているのが前提(当たり前)として話が始まります。ですからエア抜きが完全か如何かはあまり議論にならないのです。しかしながらダンパー専業で仕事をしている会社はどこもその点に心血を注ぎます。
その中でも当社は専用のアダプタを数多く自作し、ダンパー側に加工を行い機械によるエア抜きを可能にします。加工が追加になる場合はお客様の負担も増えますが、その分の見返りとして性能の安定は考える以上の効果があります。
新品のダンパーも数多く分解してきましたが、その中で、オーリンズはほぼ完璧に抜けています。入っていて極々小さな気泡が一粒確認できる程度です。車両メーカーに純正で付いてくるダンパーは気体の混入率はかなり高いのが現実です。そのため使用期間が短いにも関わらず、性能の劣化が早期に訪れます。
FGはイタリアで作業を確認しましたが、これも機械でエア抜きを行っていました。しかしその手順は私が納得できる内容ではなく、日本に届くと当社で再度組み直しを行ってきました。
以前、ホンダドリームの工場長の方から教えて頂いたのですが、当社で作業したダンパーを試乗すると乗り心地がとても良いと、評価を頂きました。その言葉を聴いてから何が原因でそのように感じてもらえたのか、追求してみましたが大別すると三つに分けられます。
一つは徹底したエア抜き
二つ目は良質なオイルを使う
三つ目は、細かい部分の汚れを洗い流し不純物を入らないようにする
上記の三点に集約されました。逆に言えばこれらは基本中の基本であり、減衰の設定やスプリングレートが・・・と語ったところで、その三つがしっかり行われていなければ、意味をなさないのです。
エア抜きの重要性は以前から感じていた事ですが、昨晩、友人とメッセージのやり取りをしていた時に、そのエア抜きに関する理論的な支柱として色々と助言をもらえました。これまで何度もブログ等で取り上げた内容が間違いないと、数値計算の上でも確認できたわけです。
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