ダエグの前後ショックとホイールカスタムに関して
昨日、ZRX1200ダエグの前後ショックをオーリンズへと交換しましたので、その顛末を書こうと思います。
前後オーリンズをなぜ選んだのか?
グランドツインと呼ばれるオーリンズのツインショックですが、これは発売されたのが10年以上前と今では古いと言えるくらいなのですが、その性能は現在でも一級品です。一番素晴らしいのはスプリングの定数だと考えています。
ですから、このスプリングのみを他のオーリンズツインショックへ転用しても良い結果を得られます。
次いでコンプレッションアジャスターが微細な調整を可能にした(モノショックと同様の機構)ために、多くの場面(厳密に言えば多彩なストロークスピード)に対応できる様になっています。街乗りで乗り心地を追求できるのに、ライダーによっては販売状態のままダイアル調整次第で筑波サーキットを1分切ることも可能な、懐の深い仕上がりとなっています。
フロントフォークは数年前に改訂版が発売されました。15年くらい前に発売された初期型は私も自分のBT1100に使い、その性能を試しています。残念ながらこの初期型正立フォークは価格に見合っているとは感じられませんでした。従ってお客様にも積極的に推奨、販売は行っていません。
それが新型のNIX(左右で減衰調整が異なる)は、昨年CB1300SF用をセッティングした際にその性能の高さに驚きました。適正なバネ定数、動きの良い表面仕上げ、狙い通りに動く減衰。これは価格に見合う良い品だと感じ、昨年からはこの前後セットを積極的に販売しています。
取り付け、問題点が発覚
リアショックに関しては何ら問題なく取り付けが進みました。
問題はフロントです。社外品のホイール、ゲイルスピードがオーリンズとの組み合わせではそのまま取り付けられませんでした。寸法を測定し、カラーを作ることで対応しましたが、0.1mm単位で合わせ込むとかなり時間がかかります。
カスタム屋さんも日々、この様な問題と格闘しているのかと思うと、頭の下がる思いです。
ホイールセンターを合わせると、ディスクとキャリパーの中心がそろわなくなります。かなり大きなズレがあり、そのままというわけにはゆかず最後はキャリパーの取り付け部分に薄いワッシャーを入れセンター出しを行い、形になりました。
全ての部品の中心を出し、無理なく取り付けができる様になったことで、ホイールの回転は極めて滑らかです。これはゲイルのホイールが悪いとか、オーリンズが悪いという事ではなく、カスタムを進めてゆくと誤差(0.1mmを誤差と捉えるかは人それぞれ)をそのままにするか、ぴっちり揃えるかに悩みます。
私は後者でぴっちり揃えました。完璧とは言えないまでも、今見えている不具合をそのままにするのが気持ち悪いからです。
メーカー純正で驚くべき不良品
これらを確認している最中に、驚くべき不具合を発見しました。
右側のブレーキローターが偏心していたのです。じっと眺めたりホイールを回転させている途中で何だかウネウネするなと思ったら、ディスクの中心がずれており異常を認めました。
これはお客様に異常を伝え、販売店さんなどに話をする様勧めておきました。
まとめ
カスタムは素材を活かせれば純正よりも質感を高め、楽しい車両にする事もできると思いますが、何も考えず何も見ずに組み付けると、驚く様な惨事を招く事もありますので、しっかりと確認してその上で、楽しんで頂きたいと思います。