車検、サスペンションO/H、セッティングなど 長年のお客様の車両

創業当時から続くご縁

弊社が個人事業としてスタートしてから、気がつけば約22年が経ちました。
今回ご依頼をいただいたお客様は、その「創業当時」からお付き合いを続けてくださっている方です。

法人化してまだ4年ほどですが、その前からの長い時間を一緒に過ごしてきた車両とお客様。
久しぶりにガレージに収まったその姿を見たとき、「ここからもう一度、ちゃんと走れるように仕立て直そう」と自然に思えました。


数年寝かせた車両を、まとめて立ち上げ直す

今回のご相談は「車検だけ通したい」というレベルではありませんでした。
車検が切れてから数年のあいだ、車両は動かされることなく置かれた状態。

見た目にはまだきれいでも、ゴムや油脂類、可動部には確実に時間の跡が出てきます。
そこで、

  • 車検取得
  • サスペンションのメンテナンス
  • 駆動系(チェーンなど)のリフレッシュ
  • エンジンオイル
  • スパークプラグ
  • エアクリーナーエレメント
  • ブレーキまわり一式

と、足まわりと安全性に関わる部分を中心に、まとめて手を入れることにしました。

「車検だけ通して終わり」にすることも選択肢としてはあり得ますが、数年寝かせた車両を再び本気で走らせるつもりなら、そこにはどうしても限界があります。
今回はあくまで「ここからまた何年か、気持ちよく乗れる状態に戻す」ことを優先しました。


C型ZX-9Rから2006年型へ――乗り換えの背景

そもそもこの2006年型の車両は、お客様が以前乗っておられた C 型 ZX-9R からの乗り換えとしてご紹介した一台です。

10年近く乗り続けた ZX-9R には、あちこちに“年数なり”の疲れが見え始めていました。
単純に車検を通し続けるよりも、状態の良いベース車両に乗り換えた方がトータルで合理的ではないか――そうした話し合いの中で、信頼できるショップをご紹介し、高価買取と状態の良い 2006年型との出会いが実現しました。

それ以来、この車両についても定期的に車検や整備をお任せいただいてきましたが、お子様の成長やお仕事の状況もあり、ここ数年はバイクを寝かせる期間が続いていたとのことです。
今回のフル整備は、そうした時間を一区切りして「もう一度バイク時間を取り戻す」ための一歩にもなっています。


今回手を入れた主なポイント

数年間動かしていない車両に対しては、「動けばよい」では不足します。
特に重点を置いたのは、次のような部分です。

サスペンションは、オイルやシールの劣化が進めば「段差のいなし方」「接地感」に直結します。
そこで前後ともメンテナンスを行い、本来持っているはずのストローク感と踏ん張りを取り戻しました。

駆動系では、チェーンやスプロケットに錆があり、必要な部分は交換。
エンジンオイルやスパークプラグ、エアクリーナーエレメントといった基本項目も、寝かせた期間を考慮して一旦リセットしています。

ブレーキ周りについても、フルードの交換だけでなく、キャリパーやマスターの状態を確認。
止まる性能は「以前と同じように効けばよい」ではなく、「今、安心して使えるかどうか」が基準です。

こうして一通り手を入れることで、また何年かは安心して走れる状態に戻せたと判断しています。


費用について

今回の車検取得と一連の整備を含めた総額は、約35万円ほどとなりました。

数字だけを見れば小さな額ではありません。
一方で、状態の良い同等の車両を探し、乗り換え・名義変更・足回りの整備まで改めて行う手間と費用を考えると、「今の一台をきちんと立て直して乗り続ける」という選択にも十分な価値があります。

特に、創業当時からお付き合いのあるお客様と、同じ車両で時間を重ねていくという意味では、単なる費用対効果だけでは計れない部分もあると感じています。


まとめとご案内

今回は「一般の車検」としてではなく、あくまでサスペンションや足回りの整備を軸に、車検・タイヤなどを含めて一台を丸ごと立ち上げ直す、という形で作業を行いました。

弊社では、車検の受付は行っておりません

今回は昔から付き合いのある方のため、併せて作業を行いました。


お問い合わせについて

車検が切れたまま数年経ってしまった車両を「もう一度きちんと走らせたい」という方や、サスペンション整備と合わせて全体の見直しをご希望の方は、一度ご相談ください。

おおよその状態やご希望の範囲をお聞きしたうえで、「どこまで手を入れるべきか」「費用感はどの程度になりそうか」を、できる限り具体的にお伝えいたします。

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