Vストローム1000XTの前後ショックスプリング
前回の記事ではVストロームのローダウンについて、概要を記しました。
今回はショックのバネについて言及します。
フロントフォークは二段バネで、初期の定数は概ね0.725Kgf/mm(当社実測値。若干の誤差はご愛嬌)でした。
Twitterの方で純正、ハイパープロともに底づきするとの情報もありました。これはなぜかといえば、油面が高すぎるのが要因としてありそうです。
純正スプリングでは十分に柔らかいのでむしろかなり動くはずです。それでも残ストが大きいならば(ダストシール、ブラケット間が20mmで底づき)油面が高いか、イニシャル過多です。
また油面設定が145mmとなっているハイパープロは、十分低い油面で残ストがかなり多めなので、これは完全にバネの設定が間違っていると言えるでしょう。
ではどの辺が現実的か?
ローダウンしたフロントフォークでプリロード0mmの場合でフルストロークしていました。油面は純正よりも低い設定です。
つまりバネ定数、イニシャル、油面またはそれらが複合的に間違っていると残ストが多くなります。
純正車高のままでバネ設定を変更するならシングルレートで0.8~0.9Kgf/mmが狙い目に思います。これでイニシャルをやや少なめに設定する。
オフロード風の車体、V型エンジン搭載でフロントを固めるのは得策ではありません。19インチホイール(他社は前後ともに17インチのロード向けを採用している例が殆ど)を用いているのも、ある本格のオフロードを十分に考慮していると思えるからです。
フロントフォークは∮25のピストンを採用しています。そのままでは高性能とは言えませんが、ピストンが大きくボリュームがあるので改造次第では高性能へと大幅に変貌させることが出来ます。
リアは?
リアショックのスプリングは、こちらも複合レートでした。一見では単一レートに思えますが、巻の両端が開いており、実は複合レートです。
ローダウンしなければ純正状態でも悪く無いように感じました。ですがオンロード専用で良ければ、10.5Kを軸にプリロード量を補正すればかなり上質な乗り心地、走安を得られました。
問題は新車での出荷状態ではダンパーの組水準が低い点にあります。ロッドの表面処理、エア抜きの具合などが、です。
丁寧に組み付け作業を行い、バキュームポンプでのエア抜き。ロッド表面の改質加工。上質なオイルへの交換で純正リアショックもかなり動きが良くなります。
最後に
前後純正ショックの仕様変更で、乗り心地は大幅に改善できました。リアのみ社外品でも良いと思いますが、純正を改造するのも十分に楽しめる手法です。
この車両に惚れ込んでいる方は、改造手法が色々とありますので是非楽しんで下さい。