BMW【K1600GTL】のEvoローダウンが完成
動画でも2回に分けて紹介しているK1600GTLのローダウンを紹介いたします。今回のローダウンはS1000Rで開発したスプリングのみで車高を落とすEvoローダウンです。
動画の一回目はローダウンの概要を、二回目はローダウンに限らない車両の素性の良さを話しています。
1 純正そのままでも劣悪ではない足つき性
上の写真はローダウン前で、両足を接地した参考写真。
ツーリング前提の車両であり165cmで短足型の私でも、それほど苦にならない足着きでした。それでも重いため少し下がるとかなり余裕が生まれます。
今回はシート高で30mm強の下げ幅でしたが無事の完成しました。下の写真はローダウン後状態で両足を出してこの程度です。
上の写真はローダウン後、両足を突いた状態。かなり楽になりました。
2 素晴らしい素性の車体
直列六気筒のエンジンを搭載する車両は古今を問わず珍しく、私の知るかが入一般流通している車両はホンダのCBX1000、カワサキのZ1300とこのK1600だけです。他にもイタリアのBenelliなどがあったそうですが、先に挙げた車両と違いかなりマイナーです。
やはり完全バランスを謳う直6の回転上昇は振動も少なく心地良い印象を持ちますが、10年以上前に乗ったCBXの方がもう少し振動は少なかった気がしています。
しかしこれは思い出の中の性能なため、直接比較するとどのような結果になるのかは想像がつきません。
エンジンを低い位置に搭載し重量物が適度な場所にある程よい運動性は、メーカーの技術の蓄積と設計者の見識の高さ、それらが相まって素晴らしいと感じられるでしょう。
3 重さも武器になる
物体を安定させるには重さは大きな武器になります。それと引き換えにして軽快な運動性能が下がるのも事実です。
ツーリング専用と表してよいほどのK1600GTLは重さが重要なのは理解に難くありません。カタログには車両重量358Kgとあります。一般的な車両の1.5倍かそれ以上の重さがあり取り回しは大変ではありました。
しかし走り出すとその重量が低速域でもタイアをグッと押し付け、十分なグリップを感じさせます。この重量の車両で高速域は確かに重さから軽快には動きませんが、逆に少々の外乱では動じない直進性は、長距離移動の疲労を大きく低減します。
この重量における軽快性と安定性は完全なトレードオフにあり、ジオメトリだけでは補えない領域もあります。
だからこそ重さが大切になる訳でK1600GTLの設計はそこを狙っているはずです。
4 総評
基本となる旋回性、重量からくるタイアのグリップと高い安定性と内包された軽快感。シフターなどの電子制御もより洗練され低速域でもギアのつながりがエレガントに感じます。
車両価格こそ高額ですが、それに見合った仕上がりの車両だと思います。もし足着きが購入の障壁となっているならば、ローダウンである程度は解消できます。一度相談して頂ければ幸いです。