DR-Z400Sのローダウン後の印象
【2025新型DR-Z4S】ローダウンは“足つき”のためだけにあらず。前後の同調で、本来の「走りの楽しさ」を引き出すという選択
2024年11月に発表され、国内では2025年10月8日に発売された新型DR-Z4S(DR-Z400Sの後継モデル)。
最新の排ガス規制をクリアし、電子制御も搭載されたこのマシンは、非常に高いポテンシャルを秘めています。
しかし、市販車のサスペンション設定は「あらゆる体格・あらゆる用途」を想定した幅広い範囲の中にあります。そのため、体格や装備重量、走行環境によっては、初期の硬さを感じたり、前後の動き出しに反応差を感じたりするケースもあります。
(※諸元・装備・仕様は市場により異なる場合があります)
私たちSGFが提案するローダウン(LTD)は、単に「足をつくため」だけの加工ではありません。
狙いは、DR-Z4Sの“前後の反応差”を整え、ライダーの入力に対して車体が一体で動く状態を作ることです。
せっかく手に入れた愛車を、より深く、より自分らしく楽しむための「チューニング」。今回はその詳細を、代表の新保が解説します。
■ 序章:新型のポテンシャルを「整える」
編集者(以下、編):
新保さん、新型DR-Z4Sのローダウンとセッティング、試乗評価お疲れ様でした。
実走を終えて、新型の感触はいかがでしたか?
新保(以下、新):
素性の良さを強く感じました。エンジンの吹け上がりやフレームの剛性感など、基本設計の完成度は非常に高いです。
ただ、出荷状態のままでは、ライダーや積載条件によっては動き出しに渋さを感じたり、ピッチング(前後の揺れ)のリズムが取りにくい場面がありました。
今回の施工では、車高を下げることはあくまで手段の一つとし、主目的を**「前後の動きを同調させ、扱いやすく整えること」**に置きました。
編:
足つき改善は結果であって、狙いはあくまで「走りの質」の向上にあると。
■ 第1章:サスペンション同調の指標「50:50」
編:
今回、新保さんがこだわったキーワードに**「前後50対50の動き出し」**があります。
これは感覚的な話ではなく、技術的にはどういう状態を指すのでしょうか?
新保:
ここで言う“50:50”とは、数値的な完全一致のことではなく、**「前後が同じ方向性で反応し、タイミングのズレが小さい」**という指標です。
具体的には以下の3点が揃った状態を指します。
-
乗車時: またがった際(1G)、前後の反応タイミングのズレが小さく、姿勢が極端に前後へ偏りにくいこと。
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制動時: ブレーキングでフロントが入る動きに対し、リアの追従が遅れにくく、姿勢変化が急になりすぎないこと。
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旋回時: コーナリング中に、前後の接地感(グリップ)が揃いやすいこと。
編:
ノーマルではそうなっていない場合がある?
新保:
市販車は幅広い用途や積載条件を見込んだ設定となっているため、条件によってはリアが高めに感じられたり、ばね・減衰・姿勢条件の組み合わせでフロントが先に動いたように感じたりと、反応にタイムラグが生じることがあります。
これを内部調整によって同調させることで、車体全体がフラットに動く、安定したベースを作りました。
■ 第2章:バンク角と舵角の「整合性」
編:
その「同調」によるメリットは、走りにどう現れますか?
例えばワインディングなどで、ライダーはどう体感できるのでしょう。
新保:
一番の違いは、「ハンドルの切れ角」と「車体のバンク角」の整合性が取れることです。
編:
整合性、ですか?
新保:
ええ。バランスが整っていないと、寝かせても曲がらない、あるいは逆に切れ込みすぎるといったズレが生じ、ライダーは無意識に修正舵を当ててしまいます。
しかし、前後が揃った状態であれば、車体を寝かせた量に対して、フロントタイヤが自然に“向きを作る”領域(セルフステア)が素直に立ち上がります。
(※セルフステア:タイヤの特性で、車体を倒すと自然にハンドルが内側へ向こうとする働きのこと)
編:
無理にこじらなくても、狙ったラインに乗れるわけですね。
新保:
そうです。余計な操作が減るため、狙ったラインの再現性が上がり、結果として「意のままに操る楽しさ」が増します。
これが、私が考える「バイク本来の面白さ」です。
■ 第3章:“有効ストローク”を使える状態へ
編:
オンロードの旋回性は分かりました。しかし読者が心配するのは、「ローダウンでストローク量が減ると、オフロード性能やトラクションが落ちるのではないか?」という点です。
新保:
その点については、**「有効ストローク(仕事をする領域)をどう使うか」**という視点で考える必要があります。
編:
長さそのものよりも、中身が重要ということですか?
新保:
はい。いくらストロークが長くても、初期が硬すぎて動かなければ、路面の凹凸でタイヤが跳ねてしまい、接地が途切れます。接地が切れれば、当然グリップ(トラクション)は失われます。
今回の仕様は、ローダウンによって車体姿勢や使えるストロークの条件は変化しますが、その中で初期から素直に動き、路面を捉え続ける「追従性」を重視しました。
編:
なるほど。動かない長足よりも、しっかり動いて路面を離さない足の方が、結果としてグリップすると。
新保:
その通りです。
**「有効ストロークを使える状態に整える」**ことで、オフロードのギャップでもタイヤが弾かれにくく、安心してアクセルを開けられる状態を作っています。
■ Q&A:よくあるご質問
Q:ローダウンすると、底付きしやすくなりませんか?
A: スプリングを安易に短縮するだけの加工では底付きのリスクがありますが、SGFではスプリングレートや減衰力、油面(エアバネ効果による奥の踏ん張り調整)などをトータルで設定します。「使える領域」を正確に合わせ込むことで、実用上の底付き耐性を確保しています。
Q:オフロード走行で不利になりませんか?
A: モトクロスコースで大ジャンプをするような用途であればノーマルのストローク長が有利ですが、林道ツーリングやガレ場などでは、むしろ「足つきの安心感」と「サスペンションの追従性」が武器になります。お客様の用途に合わせて最適な仕様をご提案します。
■ 結論:愛車を「自分仕様」にする楽しみ
編:
「下げる」というよりは、「最適化する」という言葉がしっくりきますね。
新保:
ええ。DR-Z4Sは素晴らしいバイクです。だからこそ、オーナー一人ひとりの体格や使い方に合わせて、その性能を余すことなく引き出してほしい。
SGFのローダウンは、あなたの愛車を「自分だけの相棒」に仕上げるための、一つの回答です。
【お問い合わせ】
新型DR-Z4Sのローダウン加工、およびサスペンションセッティングのご相談は、下記よりお気軽にお問い合わせください。
(※業者様からのご相談も歓迎しております)
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※車高変更は使用条件や保安基準等に関わる場合があります。詳細は購入店・取扱店にご確認ください。
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