DR-Z4Sの純正での足つき確認
DR-Z4S、ローダウン開発のスタートラインに立つ
市川市の販売店様経由で依頼を頂いていた、スズキ DR-Z4S のローダウン用車両が、工場に入庫しました。
これからしばらくのあいだ「下げてもどこまで気持ちよく走れるか」を探っていきます。

まずは採寸と試乗から始める理由
ローダウン作業にすぐ手を付けることはしません。
最初に行うのは、前後サスペンションのストローク量・静止姿勢・リンク周りのレバー比などの採寸と、ノーマル状態での試乗です。

- どの速度域で、どのような入力に対して沈み方・戻り方をするのか
- ブレーキング〜旋回〜立ち上がりで、前後の荷重移動が素直かどうか
- 足つきの不安が「高さ」だけなのか、「腰高な挙動」も含んでいるのか
こういった点を、数字と体感の両方で掴んだうえでないと、ローダウンは設計できません。
採寸と試乗で「純正が何を狙っているのか」を先に受け止め、そのうえでどこに手を入れるかを決めていきます。
純正足つきは動画で確認していただきたい
まずは基準として、ノーマル状態の足つきを動画に残しました。
身長165cm・体重69kg・股下72〜73cmの私が DR-Z4S にまたがった様子です。
- 片足接地ではどうか
- 両足つま先を出したとき、上体の余裕がどの程度あるか
- ブレーキ・シフト操作のために足を入れ替える瞬間、どれだけ車体を傾ける必要があるか
これらは文章だけでは伝わりにくいため、足つき動画を一度ご覧いただくのが早いと思います。
この「純正の一歩目」を基準にして、「あと何mm下がれば精神的な余裕が生まれるのか」を詰めていきます。
ローダウンで“素性”を殺さないために
DR-Z4S は、シート高こそ高いものの、エンジン特性・車格・タイヤサイズの影響でシート幅が狭く、数値(920mm)程の高さは感じません。それでも街乗りから林道レベルのオフロードまでを自然にこなせる素性を持っているはずの車両です。
だからこそ今回のローダウンは、単にシート高の数字を削るのではなく、
- スプリングレートの見直し
- イニシャル量(プリロード)の適正化
- 必要に応じて油面や減衰特性の微修正
といった「動き」とセットで考えます。

街中での Uターンや取り回しを楽にしつつ、未舗装路のギャップでもサスが底付きせず、必要な粘りを残す。
そのバランスを外さないように、ローダウンを“逆手に取って”車体全体のまとまりを上げる、というのが今回の方針です。
DR-Z4Sだけでなく、DR-Z4SMやモタードにも通じる話
今回入庫しているのはオフロード寄りの DR-Z4S ですが、モタード仕様の DR-Z4SM でも、ローダウンと走りのセットアップは十分に可能です。
弊社では CRF450R モタードを LGN のテスト車両としてサーキットで走らせ、
- 大きなローダウン量
- ストロークの使わせ方
- ブレーキング〜旋回の荷重の流れ
などを検証してきました。
DR-Z4SM でも同様に、「サーキットやワインディングを視野に入れたローダウン+セッティング変更」を提案できる見込みがあります。
4S で得た知見は、そのまま SM の方向性を決めるうえでも生きてきます。
ノーマル初期評価は次回以降で
試乗そのものはすでに終えており、フロントとリア、どこに“らしさ”があり、どこに改善の余地がありそうか、おおよその目星はついてきました。
ただし、ここではまだ結論めいたことは書きません。
次回の記事では、
「ノーマルの DR-Z4S をどう感じたか」
「どこを残し、どこに手を入れるべきか」
といった初期評価を、もう少し具体的にお伝えする予定です。
ローダウン・サスペンション相談について
DR-Z4S/4SM に限らず、次のような段階のご相談も受け付けています。
- ノーマルのまま、サスペンション調整だけでどこまで良くなるのか知りたい
- 足つき改善は“微調整”で足りるのか、それとも本格的なローダウンが必要なのか判断したい
- 自分の体格や用途で、何mmくらいまで下げるのが現実的なのかを相談したい
ローダウンは「とりあえず下げれば正解」という種類のものではありません。
使い方や体格によって、最適解は変わります。迷っている段階で一度話をしておいた方が、結果的に費用も時間も無駄が少なくて済みます。
お問い合わせは、下記からお気軽にどうぞ。
電話番号:090-3316-5306
LINE ID:@llv7594i
問い合わせフォーム:https://sgfacendo.com/contact/
※メーカー保証に関しては取り扱い店、ディーラーにより対応が異なるため、購入店またはお取引のある店舗へご確認ください。
まずは、いまの足つきや使用状況を教えていただければ、
「ノーマル調整で様子を見るべきか」「LTD/LGNのどちらが向いていそうか」
といった入り口の地図をお返しします。
