F750GSのローダウンが完成 シート高710mm

BMW F750GS、合計約105mmローダウンの完成報告

以前から経過を書いてきたBMW F750GSのローダウンが、ひとつの形になりました。
今回の車両は、ローダウンで約80mm、オーナー様が既に行っていたシート加工で20〜25mm。合計すると、およそ105mmという数字になります。
単なる「数字遊び」ではなく、小柄なライダーがF750GSをツーリングバイクとして現実的に扱える高さまで持っていく、という目的のもとでの設定です。


ローダウン80mm+シート20〜25mmという内訳

足まわり側は、弊社独自のローダウンメニューであるLGNを用い、前後サスペンションのストロークと姿勢を整理しながら、シート高ベースで約80mmのローダウンを実現しています。
そこに、シート自体の形状変更・あんこ抜きによる20〜25mmが加わり、結果として100mmを超える下げ幅となりました。

メリットとしては、

  • 片足だけでなく、両足の接地感が大きく改善する
  • 停車・取り回し時の「倒したら支えられない」という恐怖心がかなり薄れる

といった点があります。
一方で、当然ながら地上高・バンク角の“余裕”は削られますので、そこはきちんと理解した上での選択になります。


小柄な女性ライダー+ツーリング用途という前提

今回のメインライダーは小柄な女性で、体重も軽めです。
さらに用途としては、オンロード主体のツーリングが中心であり、オフロード走行や激しいスポーツライディングを想定していません。

この前提条件があるからこそ、ここまで大胆な下げ幅を現実的な案として採用できました。
体重が軽いぶんスプリングやイニシャルの調整幅に余裕があり、また「フルバンクで縁石を擦らないこと」よりも「停車時の安心感」を優先できるからです。

逆に言えば、

  • 体格の大きい方
  • 二人乗り前提の使い方
  • 林道や未舗装路も本気で走りたい方

には、同じレベルのローダウンは勧めません。シート加工+30〜50mm程度に抑えるなど、別の着地点を探すべきケースも多いはずです。


三つのバッグを前提にしたスプリングと油圧イニシャル

F750GSらしいツーリングスタイルとして、サイドパニア+トップケースの三点積載はほぼ前提条件です。
今回も例外ではなく、「荷物をしっかり積んだ状態でどう成り立たせるか」がスプリング選定の重要な要素になりました。

リアショックについては、

  • ライダー単体+軽荷物
  • バッグ三点に荷物を入れたフルツーリング状態

その両方を視野に入れつつ、スプリングレートを選定し、最終的な荷重調整は油圧イニシャルアジャスターで行えるようにしています。
この油圧アジャスターはダイヤルを回すだけでプリロードを変えられるため、ツーリング先でも荷物量に応じた微調整が容易です。

大幅ローダウンだからこそ、「とりあえず硬いバネを入れてごまかす」のではなく、実際の荷重条件に合わせて沈下量と姿勢を詰めていく必要があります。


試乗と実走セッティングはこれから

ローダウン作業自体は本日で完了しましたが、走りの質を仕上げるための実走セッティングはこれからです。
ストローク確認や押し歩きの感触からは期待が持てる状態ですが、最終判断はあくまで路上での挙動を見てから下します。

  • ブレーキング時の沈み方
  • 旋回中の前後バランス
  • 荷物搭載時の落ち着き

こうした要素を一本一本の走行で確認しながら、「足つきの不安を減らしつつ、ツーリングを楽しめるF750GS」にまとめていきます。
下がったこと自体に満足するのではなく、「下げた状態でどう走るか」を詰めるのが最終工程です。


LGNという選択と費用について

LGNは、今回のF750GSのように「普通のローダウンでは届かない領域」に踏み込むためのメニューです。
車種を問わず、構造が許す範囲で下げ幅を大きく取りつつ、できる限り走りの質を保つことを目的としています。

そのぶん、構成部品や加工点数も増え、設計と製作に手間がかかるため、費用はおおよそ

  • 最低ラインで約25万円前後
  • 平均すると30万円前後

という水準になります。
安価とは言えませんが、「本来は諦めていた車種に乗れる」「今の一台を長く付き合える」という意味で見れば、検討に値すると考えています。
もちろん、ここまでの下げ幅や費用が不要なケースには、LTDなど別の方法をご提案します。


ご相談・お問い合わせについて

LGNは、今回のようなF750GSだけでなく、さまざまな車種に応用が可能です。
「この車種は足つきのせいで候補から外している」「どこまで下げるのが現実的か知りたい」といった段階でも構いませんので、一度ご相談ください。

お問い合わせは下記から承っております。

電話番号:090-3316-5306
LINE ID:@llv7594i
問い合わせフォーム:https://sgfacendo.com/contact/

※メーカー保証に関しては取り扱い店、ディーラーにより対応が異なるため、購入店またはお取引のある店舗へご確認ください。

ローダウンが本当に必要なのか、必要だとすれば何mmが妥当なのか。メリットと同じくらい、デメリットも含めて率直にお話しします。そのうえで、いまのあなたにとって現実的な選択肢を一緒に考えていければ幸いです。

 

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