クアンタムの【四輪用ダンパー】をO/H中
四輪用のクアンタムを作業しています。
同メーカーのダンパーは基本仕様の変更が細かく行われており、今回依頼分は初めて見る仕様でした。
シリンダーにフリーピストンを備える形状ですが、ヘッド部分が膨らんだコブラ型で(コブラヘッドとでも呼びましょうか)ガス室の容量を大きくしていました。
その他、ロッドにも特徴があります。
ロッド本体の太さとピストン部分が噛み合う部分の太さが同一でした。このことから減衰を細かく調整するというより大きな減衰を安定して発揮する様に思えます。
またロッドエンドのネジ系が大きく絞られているのも珍しく、初めて観ました。
クアンタムは伝統的にフリーピストンにピストンリングを備えていません。極稀にピストンリングありも存在しますが、何が基準となっているのかは不明です。
ほぼすべてのピストンは高さを抑えるためなのか、写真のような形状です。これはフリーピストンの傾きが発生するとシリンダーに引っかかり動きが悪くなりますから、要注意。
もともと少なめのクアンタムでも、シムの枚数は特に少ない。これは上でも紹介した軸系の太さが影響しているのでしょう。
といったところで、今回はおしまいです。分解、組み立て準備まで終えたので、この後はエア抜きとガス入れをして終わります。
最後にまたそれらから得た経験を紹介いたします。