テネレ700の評価とリアショックオーリンズ交換

きっかけ──CRF1000Lオーナーの紹介でテネレ700が入庫

昨年 CRF1000L アフリカツインを リアオーリンズ、フロントスプリング交換+セッティングで仕上げたお客様が、その出来栄えを高く評価してくださり、今回テネレ 700 の友人をご紹介。
ご要望は オーリンズ製リアショックへの換装とセッティング です。ちょうど国内在庫があり、晴天の土曜にご来店いただいて作業を実施しました。

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1 テネレ700を「バランス良し」と評した理由

私がバイクの“バランス”という言葉を使うとき、それは前後車高の高さ・沈み量・戻り速度が釣り合っている状態を指します。テネレ 700 は純正でも前後ショックの動きが素直で、オフロードを謳うモデルらしくストロークをフルに使える設定
唯一気になったのはハンドル幅。もう 2〜3 cm 広げて低くすると 208 kg の車重でも取り回しが安定し、オフロードでの押さえ込みも楽になるはずです。


2 純正サスの“高評価”と“惜しいところ”

  • オフロード走行なら:伸び/圧減衰ともストロークを活かし、ギャップ吸収が上質
  • オンロード高負荷では:フロント・リアとも動きが大きく、急減速時や高負荷時に腰砕け感が出る

「オフ走行を視野に入れるか、舗装路専用と割り切るか」で評価が二分する――これはテネレ700のキャラクターゆえのトレードオフです。


3 オーリンズ  リアショック換装──セッティングガイド

手順 作業内容 私の推奨値(体重70 kg/オン7割・オフ3割)
① イニシャル調整 工場出荷は硬め。8 回転抜きで動きを出す その後 +3〜4 回転で姿勢を整える
② 伸び減衰 (Reb) 標準から 5クリック抜き 出荷状態から8クリック戻す
③ 圧減衰 (Comp) 同じく 5クリック抜き 荒れた林道ならさらに5〜7段抜く
④ ばねレート見直し 体重60 kg以下 or ツーリング主体なら 1〜2段柔らかいレート 交換で“軽やか”な動きに

交換時の注意

  1. 標準イニシャルは硬め:そのまま装着するとリア上がり
  2. バネ交換は効果大:軽量ライダーやオンロード主体なら必須レベル
  3. フロントとの整合:オン専用ならフォークスプリングも硬めへ換装し減速姿勢を安定


4 オン/オフ別・さらなるアップグレード提案

走行シーン 推奨メニュー 期待効果
オフ重視 リア:レートを落とし+減衰調整のみ/フロント純正 ストローク感を残しつつライン追従
オンツーリング 50 %超 リアばね柔らかめ変更+フロントばね 1段硬めへ 高速ブレーキでの沈み込み抑制、長距離快適
ワインディング好き 上記+ハンドル幅 2 cm ワイド化 荷重入力がしやすくコーナリング安定

5 総評

テネレ700 は「オフで遊び、舗装路も快適に走る」万能パッケージ。その潜在能力をさらに伸ばす鍵が リアショックの適正化 です。オーリンズ換装+的確な初期セットで、路面追従と車体姿勢が一段引き締まり、ツーリングでも林道でも“もうひと伸び”するバイクへ変貌します。


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