S1000RRのローダウンと、その”是非”について

S1000RR “ローダウン依頼” 実態レポート

― 要望トップは 「−50 mm」 でした

はじめに

5月の連休明け、栃木からお預かりした 2025 年式 S1000RR で LGN −50 mm ローダウンを施工しました。
「足つきが不安=下げたい」——その一方で「走りが悪くなるのでは?」という声も根強い。
本稿では 依頼傾向/安全確保の前提/否定論へのファクトチェック を整理し、ローダウンを検討中の方に判断材料を提示します。

動画でも解説していますので、ご覧ください。


1. 実際に多い下げ幅ベスト 3

下げ幅 依頼比率* 主な狙い
−50 mm 57 % 両足ベタ着きで街乗り安心
−30 mm 34 % ワインディングでの取り回し/ツーリング
−20 mm 未満 9 % 外観を崩さず微調整

* 当社 2023.1-2025.6 受付 50 台超の S1000RR データ


2. “安全に楽しむ”ための 3 つの前提

2-1 法規完全適合

  • ローダウン後も 最低地上高 90 mm以上 を確保(車検クリア)。

2-2 部品強度=設計荷重×3

  • 削り出し部品+SUS303ステンレス。強度計算から最大荷重の3倍の強度を確保。

2-3 個別最適=扱いやすさ=安全

  • 体格・用途ヒアリング → バネレート/減衰設定を個別設計。
  • 「思い通りに動く車体」は転倒リスクを下げる——これが LGN の狙いです。

3. 否定派 4 論点をファクトチェック

主張 区分 事実・当社回答
A. 見た目が格好悪い 主観 好みの問題。外観変化は最小限。
B. そこまでして乗る必要は? 主観 ライダー本人の価値観。快適・安全を優先する人も多い。
C. 擦りやすいのでは? 事実 −50 mmでも地上高 90 mm。軽量ライダーならさらに余裕。
D. 走りが悪化する 事実 弱点補正→ダウンの順で施工。サーキットでもテスト。

結論: 前提 2-1〜2-3 を満たせば、ローダウン肯否は “好みの領域” になります。


4. 当社ローダウン 3 グレード早見表

パッケージ 価格(税込) 下げ幅目安 キャラクター
LTD 約 9 ~16万円 −20〜30 mm コスパ重視。必要最低限を確実に。走り追及のLTD.S2.2やLTD.RS2.2もあり。
LAT 15〜23 万円 −30〜40 mm 足つき+走りの両立。街と峠のバランス型。
LGN 25〜50 万円 −40〜50 mm超 足つき最優先&走りを“上げに行く”フルカスタム。

まとめ

  • S1000RR で最も多い要望は −50 mm
  • 法規適合・強度確保・個別最適 が伴えば安全面の不安はクリア。
  • 否定派の主張 A〜D のうち、事実ベースの懸念はすべて対策済み。
  • LGN/LAT/LTD から優先順位で選択を。

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