自社開発の計算ソフト、活用方法と自動化の更なる発展

ローダウン専用の計算式とLGNの技術開発

自社開発のLGN(Lowdown Generazione Nuova)は、単なる車両の車高を下げるだけでなく、ハンドリングや乗り心地の向上も実現する高度なローダウン技術です。その設計において、重要なポイントはスプリングレートや自由長の精密な計算にあります。この記事では、ローダウン専用に開発した計算式の背景や、そのツールが実際にどのように活用されているかをご紹介します。


1. ローダウン設計の精度を支える計算式の重要性

LGNの開発では、いくつかの基本的な計算を組み合わせてスプリングの最適なレートや自由長(ばねの長さ)を導き出します。バイクや車両ごとに必要な車高の調整には、誤差を最小限に抑えることが欠かせません。特にローダウン作業では、寸法がわずかに狂うだけで乗り心地やハンドリングに大きな影響を与えるため、計算精度が非常に重要です。

ただし、単純な計算の積み重ねでも数が増えるとミスが発生しやすくなります。一台ごとに異なる車高やバネの特性を細かく計算する必要があるため、人力だけではミスを防ぐのが難しいのです。


2. Googleスプレッドシートを活用した計算シートの開発

この課題を解決するため、弊社ではGoogleスプレッドシートを用いて独自の計算シートを開発しました。測定した数値を入力するだけで、自動的に必要な寸法が計算されるため、複雑な計算を簡単に処理できます。

計算シートのメリット

  • 手計算によるミスの回避
  • 作業時間の短縮
  • 各車両の特性に合わせた個別最適化が容易

サーキット向けの「LGN Versione Corsa」の開発においても、この計算シートが大いに役立ちました。これまでも何度も使用する中で、すでに精度が実証済みのため、計算ミスなく部品の設計を進めることができています。


3. エア抜き作業と自動化への取り組み

**ショックのO/H(オーバーホール)**においても、計算シートと並行して作業効率を向上させるための自社ツールを導入しています。

  • エア抜き機械の自動化:従来の手作業によるエア抜きでは時間がかかりがちでしたが、自動化することで精度向上と作業時間の短縮を両立させます。
  • ショック別の個別最適化:各モデルごとに最適な作業手順を用意し、無駄のない作業プロセスを実現。

今後もこうした技術開発を進め、社内のバックヤード業務のさらなる自動化を図る予定です。


4. ダンパーテスターの導入予定と品質向上への取り組み

弊社ではダンパーテスターの導入も視野に入れており、これによりショックの性能を数値で見える化することが可能になります。

  • 各ショックの特性を数値で管理
  • O/H後の性能がどの程度向上したかを具体的に測定

こうした取り組みによって、お客様へのサービスの質をさらに向上させてまいります。


5. LGN Versione Corsaの開発進展と今後の展望

LGN Versione Corsa」は、サーキット仕様のローダウンを想定し、より高度な走りの質を追求しています。今回の開発においても、計算シートの活用がその効果を大いに発揮しました。今後もこうした社内ツールを進化させ、他の車両や新たなプロジェクトに展開する予定です。


6. まとめとお客様への提案

今回ご紹介したように、弊社では計算シートや自動化ツールを用いることで、精度の高いローダウン作業を行っています。

  • LGNのような高度なローダウンを希望する方
  • サーキット仕様へのカスタムを考えている方
  • 迅速かつ正確な車両セッティングを求める方

ぜひ一度、弊社にご相談ください。これからも技術開発を進め、お客様に還元できるサービスを提供してまいります。

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