鈴鹿のレース
週末の鈴鹿サンデーロードレースに参加してきました。
今回は私だけが帯同したので、NSF250RとCBR250Rの二台を担当しましたが、内容と結果において得られるものがありました。
NSFの埜口君は前週のテストで非常に好調で、ウィークに入る前に前後サスペンションのオーバーホールを行いました。これが裏目に出たのか、リアサスペンションのフィーリングが変わり、思ったような結果を得られずに予選8位、決勝3位(クラス2位)となってしまいました。全体的なセットはまとまり、外してはいなかったのですが、ダンパーオイルの変更(粘度は変えずにヒロコー開発用のプロトタイプから、ヒロコーのSTD)が影響したようで、動きに重さを感じていたようです。レース直前に消耗品を全て交換したのも悪かったのか、ピストンリングが新品になったことで、少しの抵抗が出たのかもしれませんが、オイルと部品の両面から得た教訓をもとに、次は同様の失敗を繰り返さないようにします。
CBRの渡辺君は怪我の影響が殆どなくなった、初のレースでしたから気合十分で臨んだ鈴鹿でした。
夏休みの56レーシング、56デザインスポルト合同合宿と自主練の成果か、安定した走りを見せてくれました。鈴鹿の事前練習も十分で良い手ごたえを感じていたようです。ドライだった土曜日の練習走行はトップタイムとほぼ同じ速さで、本人の気合も空回りすることなく乗っていました。
迎えた予選は路面が乾きそうだったり、本降りになったりの読みずらい展開から、しっかりウェットコンディションとなり、一度もボードのトップを譲ることなくポールポジションを得られました。ここでやっと渡辺君の走りが戻ってきたと実感した次第です。決勝は結果4位と少し物足りなさもありますが、内容のある出来ることは出し切ったレースだったと思います。チームとしては少しでも燃料マネージメントなどで、直線のアドバンテージを確保してライダーを助けたいと監督の言です。
あまり表に出すことはないので、チームがどの様にセットを進めるのか、ここで一部紹介します。まず、走行データをもとにベースセットで走り、そこでライダーのコメントを確認します。育成チームなので、セットはそのまま変更せずに担当エンジニア毎に、ライダーの問題と車体の問題を分析し、対策を数通り用意して監督に提言します。その案も担当が考える第一案があり、それ以下の案を用意してい話をしますが、判断は監督に一任せずこちら側の提案に対する認証を得るといった形で進めています。ここで監督の経験から得た、ライダー目線の助言をもとに再考することも、ままあります。
セットアップの変更点は、ライダーへ事細かに教えず「フロント変えた」や「しっかりさせた」、「雨用に抜いた」など大雑把な変更のみ伝えます。そうでなければライダーが頭でっかちになり、走りではなくセッティングばかりに考えが向いて、走りを妨げるからです。それが監督の考えであり、チームの方針です。