LGNローダウン:車高を下げつつ、走りも妥協しない新発想のサスペンション

ローダウンはライダーに合わせ、走りを作り込む”カスタム”である

バイクの足つき性を向上させたい、でも走りの楽しさは捨てたくない——そう考えるライダーは少なくありません。実は、「ローダウン=走りが悪くなる」 という通説を覆す技術が登場しています。それが今回ご紹介する LGN(エルジーエヌ) です。旧来の「ストロークを短く切り詰めるだけ」のローダウンと異なり、LGNは純正のストローク総量を保持したまま、乗車姿勢を大幅に下げることができる点が最大の特徴。これは「街乗りや峠道でもストレスなく楽しみたい」「サーキットほど攻めないが、しっかりした乗り心地は欲しい」という方にとって魅力的な選択肢です。


LGNが生むメリット

従来のローダウンでは、フロントフォークを30mm下げれば、そのぶんストローク総量も30mm減るため、走行中に吸収できるエネルギー量が少なくなりがちでした。一方、LGN方式ではマイナス方向(伸びきった側)にもストロークを確保する設計を導入しており、総ストローク量はそのまま。結果として、ギャップや路面の凹凸を十分にいなしながらライダーの足つきを下げられるのです。例えば「純正で120mmあるストロークのうち、60mmを足つき改善に使い、残りの60mmを走行時の沈み込みに利用する」といった形で、プラスとマイナスの両面を活かすイメージです。

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走りにも妥協しない理由

サスペンションにおける「正ストローク」と「負ストローク」は、路面の凹凸をいかにスムーズに吸収できるかを左右します。LGNは、ローダウン後に正ストロークが短くなる弱点を、負ストロークを拡大することでカバー。さらに独自のバネ定数や油面調整を組み合わせることで、純正以上のハンドリング改善を狙えるケースも珍しくありません。


まとめ:新しいローダウンの姿

「車高を落としても、もはや損をしない」というのがLGNの真髄です。もちろん、全てのライダーにとってベストとは限りませんが、従来のローダウンとひと味違う手応えを感じる方は多いでしょう。詳細な仕組みや理論、実際の施工事例については本編でご紹介しますので、気になる方はぜひ続きもチェックしてください。

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今回の本編では、フロントフォークの具体例やストローク配分図をさらに深く解説します。


LGNローダウン徹底解説:ストローク総量はそのまま、足つき&ハンドリングを変革する新世代サスペンション

目次

  1. はじめに:ローダウンの新時代 – なぜLGNなのか

  2. サスペンションの基本設定とローダウンの違い

  3. LGNにおけるストロークエネルギー吸収量

  4. LGNはローダウン+サスペンションカスタム:実例紹介

  5. よくある疑問:「下げない方が本当はいいの?」

  6. まとめと今後のステップ


1. はじめに:ローダウンの新時代 – なぜLGNなのか

バイクの車高を下げたい理由はさまざまです。足つき性の確保、安全な取り回し、そして不安からの解放。とはいえ「ストロークを削るローダウンでは乗り心地が犠牲になる」「街乗りやワインディングで楽しめなくなるのでは?」と心配する声も根強くあります。そこで登場したのが、ストローク量を維持したまま乗車姿勢を低くできるLGNという新たな方法です。


2. サスペンションの基本設定とローダウンの違い

2-1. フロントフォークのイメージ図 (a) 

まずは基本から。オンロードバイクのフロントフォークは一般に約120mmのストローク量を持っています。厳密にはホイールトラベルやスプリングレートなど細かい要素が絡み合いますが、ここでは単純に「120mm分、伸縮する余裕がある」と捉えてください。


2-2. 乗車1Gの沈下量 (b)

次に「乗車1G」という概念を簡単に押さえます。これは、人間が乗り、バイクの自重も加わったときにフォークが沈み込む量のことで、サグと呼ばれたりもします。通常、この沈み込みが**正方向(フォークが縮む方向)**の始点となり、路面の凹凸を吸収するのもここからです。


2-3. 旧来ローダウンの概念図 (c)

では一般的なローダウンではどうするか。たとえば「30mm下げたいからストローク自体を30mm削る」という発想だと、120mm→90mmに減ります。乗車1Gのサグも、その90mmの中から割り振る形になるため、結果として路面からの衝撃を吸収できる正ストロークが目減りしてしまうのです。


2-4. LGNローダウンの概念図 (d)

ここで登場するのがLGN方式。ストローク総量は120mmのままですが、乗車1G位置を低く設定することで、ライダーが跨がったときに実質30mm〜60mm下がるよう調整します。例えば希望下げ幅が60mmなら、正方向にも60mm、負方向にも60mmと大きく振り分け、トータル120mmのまま活かすわけです。

この違いが“旧来はストローク総量が90mmに減る”のに対し、“LGNは120mmのまま”という大きなメリットをもたらします。負ストロークをうまく使うことで、地面のギャップを乗り越えたときにフォークが伸び切っても、伸び方向の余裕がまだあるため、突き上げ感や跳ね返り感を緩和できます。

これでは結局1G沈下量”サグ”が大きいのと何が違うのか?となりますが、負のストローク(ローダウン分のストローク)を積極活用するのがLGNの真骨頂であり、この部分の設計、部品選定、製造が要となり新生代のローダウンと呼べるほどの異質な走りを実現しています。


3. LGNにおけるストロークエネルギー吸収量

3-1. 総ストロークが変わらないという革新 (e)

「ローダウンしたのに、純正と同じ120mm?」——これこそLGNの核心です。
正ストロークは確かに削られますが、「削られたぶんを負ストロークに回す」ため、結果として路面衝撃を吸収できる合計値がキープされます。旧来の方法だと「総量90mm」の中でなんとかやりくりするしかありませんでしたが、LGNの場合は負ストロークを積極的に活かすので、吸収可能なエネルギーが多いわけです。


3-2. ストロークの使い方 (f)

サスペンションは路面の凹凸に応じて「縮む(正方向)→伸びる(負方向)→落ち着きへ戻る」というプロセスをたどります。LGNでは「正方向が短くなる弱点」を「負方向の余裕」で補い、全体として十分な衝撃吸収量を確保します。たとえば街乗りでの段差や速度抑制帯を越える際、従来ローダウンよりフォークがスムーズに沈み、伸び戻しまでスッと収束しやすいのです。


3-3. 負の方向から始まるサスペンション挙動 (g)

実はサスペンションの動きは、常に「縮む方向(正)」から始まるとは限りません。前輪が軽く浮いたり、急ブレーキで車体後方が沈んだりすると、フロントが伸び方向に動き出す場面もあります。旧来のローダウンでは伸び側が短くなるため、そこで余裕がなく底突き的な挙動になる恐れがありましたが、LGNなら伸び側にも60mmのスペースを確保できるので安心感が違います。


3-4. 正の方向から始まるサスペンション挙動 (h)

もちろん縮む方向から始まるケースも多数存在し、これは従来ローダウンでも大差ありません。しかし、負ストロークの存在が生む心理的な余裕は大きく、ブレーキング時のフロント沈み込みでも適切にコントロールできるよう設計されているため、峠道や長距離ツーリングでも「突き上げ感が少ない」と評価されることが多いです。


4. LGNはローダウン+サスペンションカスタム:実例紹介

4-1. “ハンドリング改善こそ主役”という逆転現象 (j)

LGNの施工例を見ていると、「足つきを良くしたい」が「乗り心地やハンドリングの改善」を強く実感するという不思議な逆転現象が起こります。実際には「下げて終わり」ではなく、事前に純正状態をチェックしてから、バネ定数・油面・前後車高バランスを最適化することで、結果的に操縦性が変わるのです。

たとえば街乗りに重点を置くライダーなら、ある程度しなやかな設定にして路面ギャップを吸収しやすくします。一方、ワインディングを楽しむ方なら、伸び・圧減衰を踏まえたうえで初期沈み込みを多めに取り、ハンドリングに軽快感をプラスするなど、個別最適を行います。


4-2. ローダウンが引き出す安心感と乗車頻度の向上

「両足がベタつきに近い状態だと、発進・停止の心理的負担が減る→ツーリングやちょっとした買い物にも気軽に乗るようになる」という変化は大きいです。高価な大型バイクでも「どうしても足が届かず諦めかけた」という方が、LGNによって自信を得て乗車機会が増えたという事例も数多く聞かれます。乗る回数が増えれば、バイクを所有する喜びもさらに深まるでしょう。


4-3. 具体的な施工手順・ヒアリング内容

実際の施工では、まずお客様の乗り方や体格をヒアリングし、希望する下げ幅を決定します。その後、フロントフォークを分解してスプリングレートと油面を調整。リア側もLGN専用スプリングを組み合わせます。最終的には実車に跨がってみて細かい調整を行い、理想のフォルムと走りが両立するよう仕上げます。

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5. よくある疑問:「下げない方が本当はいいの?」 (k)

5-1. 旧来ローダウンの弱点をどう補ったのか

先述の通り、旧来のローダウンは総ストロークが削られるため、底突きや衝撃吸収不足を起こしやすくなります。LGNは**「下げ幅分を負方向に付与」**する発想で、この弱点を技術的に克服しました。とはいえ「限界はある」点も忘れてはいけません。サーキット走行でフルストロークを常用する方には純正以上のストロークが必要な場合もあるため、自分がどこまで使うかを把握することが大切です。


5-2. カスタム前に知っておきたいチェックポイント

  1. 車両の使用目的(通勤・ツーリング・ワインディングメインなのか、サーキットも視野に入れるか)

  2. 体重・足の長さ(および乗車姿勢の好み)

  3. 予算・施工期間(フロントフォーク分解+リア周りの調整は数日~2週間程度)

これらを事前に整理しておけば、ショップ側から最適なレートや下げ幅を提案してもらいやすいでしょう。


5-3. ローダウンFAQ

もっと詳細なメカニズムやサグ値計算式、従来ローダウンで生じる具体的デメリットなどを知りたい方は、当社の**ローダウンFAQ特集をご覧ください。「理論」「実例」「ユーザーの声」**が詰まっており、あなたに合った選択肢かどうかを判断する参考になるはずです。


6. まとめと今後のステップ

LGNローダウンは、一見「下げただけ」なのに実はサスペンション全体を再設計する高度なカスタム手法です。ストローク合計120mmをフル活用しつつ、足つきを大幅に改善できるのが最大の強み。
もし「足つきの不安を解消したいが、乗り味を犠牲にしたくない」というお悩みをお持ちなら、一度このLGNの考え方を検討してみてください。旧来ローダウン=デメリットが多いというイメージを覆すチャンスかもしれません。

現車確認・カスタム相談も大歓迎です。
お問い合わせフォームやお電話でお気軽にご連絡ください。

ご希望の下げ幅や乗り方に合わせて、最適なセッティングを提案いたします。

ローダウンというテーマは、単なる足つき向上だけでなく、ハンドリングやライダーの心理的安心感を変えるカスタムでもあります。ぜひ自分に合った形でバイクを仕上げ、思う存分ライディングを楽しんでください。

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