S/M1000シリーズ ローダウン第二の選択肢”LTD”
S1000/M1000シリーズ統合|LTD(Lowdown Tradizione)― 3〜4cmを“正しく下げる”第二の選択肢
前回の記事では、S1000・M1000シリーズに向けた
“ハイエンドローダウン” LGNを紹介した。
今回は対になるもう一つの解──
“LTD(Lowdown Tradizione)” について解説する。
これは
「コストを抑えつつも、走りを壊さず、しっかり下げる」
ことを目的にした“古典+現代的最適化”のローダウンである。

1. LTDとは ― 伝統的な正攻法で、安全に・効率的に下げる技術
LTD = Lowdown Tradizione(ローダウン・トラディツィオーネ)
名前の通り、
「伝統的手法を土台にしたローダウン」である。
■ 肯定的に言えば
- コスト効率が良く
- 大半の車種に対応でき
- 作業の確実性が高い
■ 否定的に言えば
- LGNのような“リバウンドストロークの確保”は難しく
- 下げ幅や乗り心地の最適化は“車種ごとの限界”がある
このバランスを理解いただくと、LTDの価値が明確になる。

2. LTDの実際の手法(S1000/M1000シリーズ共通の考え方)
フロント
- 突き出しによるローダウン(基本)
- スプリング交換による姿勢補正(必要に応じて)
→ BMW特有の“切れ込みやすさ”を抑えるため、
突き出し量は車種ごとに慎重に設定する。
リア
- スプリングカラー(シート)によるローダウン
- スプリング交換
- または両者を併用
→ S1000R/XR系はスプリング長・自由長の関係上、
カラー×スプリングの併用が最も効きが良い。
→ S1000RR/M1000RR系は車体の前後姿勢に敏感なため、
突き出し量、スプリング初期荷重、リンク比の関係を
慎重に揃える必要がある。

3. 下げ幅 ― 平均3〜4cm。必要なら“派生型”で追加下げ可能
✅ 標準LTDでの下げ幅:3〜4cm(シート高換算)
→ 6車種(S1000R/M1000R/S1000RR/M1000RR/S1000XR/M1000XR)でも
ほぼ共通してこのレンジ。
✅ もっと下げたい場合
LTDには派生形として、
- LTD-R
- LTD-RS
- LTD-1.5
- LTD-2.0
- LTD-2.2
などがある。
下げ幅や用途に応じた“細分化設計”で、
車種や体格に合わせて実質 最大5〜6cm まで狙える。
詳しくは紹介記事(リンク)をご覧いただきたい。

4. 価格(車両預かり・サイドスタンド加工込みの目安)
■ S1000R / S1000RR / S1000XR
総額:20万円以内
(LTDの標準作業 + 必要に応じてスタンド加工)
■ M1000系(R / RR / XR)
予定価格:25〜30万円前後
Mシリーズ専用に
**“LTD.M(エム)”**というパッケージを開発中。
- M系ショックの特殊性
- 直進〜旋回移行の敏感さ
- 重量配分
を前提に最適化した“乗り心地改善+ローダウンパッケージ”となる。


5. 納期
- 開発済み車種(S1000系): 約1週間
- M1000系(未開発): 約4週間
→ 依頼が入り次第、開発を進める。
6. 走り ― “下げ幅ゼロのスポーツ仕様”も作れる
LTDはローダウンだけの手法ではない。
むしろ、
✅ LTD Sportivo(スポーツセッティング)
- 下げ幅0mmでも
- スプリング・イニシャル・減衰・姿勢を作り直すことで
- S/M1000系の本気の走りを引き出す
特にRR系の“切れ返し時の過敏さ”に悩む方や、
M1000XRの“高度にまとまっているが、あと少しが欲しい”と気になる方には非常に効果的。
7. まとめ:LGNほどの大改革は不要、でも走りも捨てたくない。そんな人へ
LGNと比べると、LTDは“穏当な選択”に見えるかもしれない。
だがそれは悪い意味ではない。
- コスト優先で下げたい
- でも走りはちゃんと維持したい
- LGNほどの仕様変更は必要ない
- 納期は短めが良い
そういった“現実的なベストバランス”を求める方にとって、
LTDは極めて効率の良い選択となる。
つまりLTDは単なるローダウンではなく、サスペンションカスタム、乗り手やオーナーの個別最適を実現する一つの手段です。
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LTD/LTD Sportivo/派生型 — どれが最善かは体格と用途で変わります。
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