ムルシエラゴのロッド折損 事例紹介と原因
ランボルギーニ・ムルシエラゴ ― KONIショック折損事例と技術的考察
ランボルギーニ・ムルシエラゴには、前後ともKONI製ショックアブソーバーが採用されています。
今回は、お客様からロッドとアッパーマウント接合部が折損した個体を買い取り、内部構造を精査したうえで判明した内容をまとめます。
折損した原因について
折れた部位は、ロッド(丸棒部)からネジ部へ切り替わる“段付き形状”の境界。
ここは断面積が変化するため、構造上どうしても応力が集中します。

長年の荷重と細かな振動の蓄積により、典型的な疲労破壊が進行しており、折損に至ったものと判断できます。
そして分解を進めると、もう一つの要因が重畳していたことが明白でした。
ただし、その内容は業務上の機密に関わるため開示できません。
総合的には、
構造上/設計上の弱点が複数重なった結果としての破断
と言えます。
対策について
結論から述べれば——
折れる前に予防的整備を行う以外に、根本的な対策は存在しません。
純正構造そのままでは再発の可能性を完全には排除できず、
弊社としてご提案できるのは以下の二つ。
1. ダンパー本体を交換する(純正)
最も安全で確実。ただし供給価格・納期の面で負担が大きい。
2. 弊社にてロッドを新規製造する
純正弱点を把握した上で、耐疲労性を重視したロッドを製作できます。
予防的にロッド交換を行っておけば、折損リスクを大幅に低減できます。
※ロッド単体製作には専用治具・素材選定・加工精度が必要であり、一般的な機械加工とは別次元の対応です。
納期の目安
破損前の予防整備なのか、折損後の再生なのかで大きく変わります。
- 折れる前(予防整備)
2〜4週間 - 折れた後の再生(ロッド製作含む)
4〜8週間
内部状態のばらつきにより、個体差が非常に大きい点をご理解ください。
価格
エンドユーザー様との直接取引は行っておりません。
お付き合いのある修理工場・販売店様を通してお問い合わせいただければ、個別に見積もりをお伝えできます。
お問い合わせ
ランボルギーニ、フェラーリを含むスーパースポーツのショック整備は、年々ご依頼が増加しております。
とくに旧世代のKONIやBWIは新品交換が高額化しており、再生整備の価値は非常に高まっています。
ショックの異音・オイル漏れ・作動異常、または「他社で断られた」ケースでも、まずはご相談ください。
電話:090-3316-5306
LINE:@llv7594i
問い合わせフォーム:https://sgfacendo.com/contact/
※ショック修理は必ず修理工場・販売店経由でご依頼ください。
※メーカー保証対応は取扱店により異なりますので、購入店へご確認ください。
