ロッド研摩、エア抜き
そのままロッドを再利用できる場合はほぼ皆無と言えます。
自社製のSGSAに交換するか、再メッキか研磨で再利用します。今回は研磨で再利用する場合について話をします。
ロッド表面の粗さはダンパーの動きに大きく影響します。写真はSGSAのロッド表面です。XJR400のダンパーをオーバーホール依頼があり、ロッドは研磨で再利用しましたが、摩耗が進み表面がツルツルになっていたため、いつもよりも粗い研摩材を用いました。エア抜きを終えガスを入れる前、動作確認のためロッドを動かしました。その動きの滑らかさがいつもよりも際立っていたので、表面粗さについて再考する良い切っ掛けになりました。この個体は保証対象外のオーバーホールで、その中で少しでもロッド表面を何とか修正する為に、粗い研摩材を用いました。ロッド表面の粗さと耐久性について実証してから、保証対象の作業に使うかを判断して行きます。
エア抜きを終えた時にいつも感じますが、高度に洗練されたエア抜きを施すと、手で押してもダンパーの動きの良さを感じ取れます。エア抜きを舐めて手を抜けば、その動きは乗れば分かります。去年知人から購入したCRM250ARのリアサスは、他店でオーバーホールをされていました。作業後6カ月にしては動きが良くないと感じましたが、分解してその作業水準が良く分かりました。細かい部分で気になる点は多々ありましたが、一番はエア抜きのレベルが低く、その乗り味は一言で表現すれば「ボヨンボヨン」した物でした。厳しい言い方ですが、自社の作業も「出来る限り良い物を」ではなく「昨日より少しでも高い水準に到達できるよう」作業に打ち込みたいと考えています。