FZ1フェザーが完成しました。
一月に依頼を頂いたFZ1フェザーがようやく完成の域に達しました。
実際の作業は一週間程度で終えましたが、構想と部品の手配に時間を要しました。
この車両を改造するにあたり、大きな壁となったのはフロントフォークでした。過去に他社で仕様変更が行われており、私共に依頼を頂くにあたり、一度実際にセッティングを変更して乗って頂いた上で、当社が信頼に足るか判断してもらいました。
今回の一番大きな作業はフロントフォークです。ZX-10Rのインナーチューブを流用し、DLCを使っています。DLCは動きが良くなるわけではありませんが、長持ちするので長期的な費用を抑えるためには極めて有効だと思います。
オーリンズのFGKと呼ばれるカートリッジキットを取り付けるにあたり、長さ、ネジ寸法、減衰の値、ストローク長など多岐に渡り問題を解消しなければならず、非常に高くつきましたが純正では得られない作動性を手に入れました。なぜFGのキットを選ばなかったといえば、リアはすでにオーリンズが取り付けられており、バイク一台を俯瞰した際により筋の通った(整合性の高い)仕様にしたかった事がオーリンズのフォークキットを選んだ理由です。
スプリングレート、減衰の値、使うグリスに表面処理により、走り出す以前、組んだ段階で既に期待値の高いフロントフォークとなりました。
反面、リアは車高調整機能を追加し、市販品にはない仕様を作り出しました。ピストンはモノチューブの最終型で少し外径の大きなシムを使っています。10枚以上重なり合っていましたが、枚数を抑える方向で設定し、その動きはやはり期待の持てる良い動きをしています。
この一台はタイア交換なども含め80万円かかりましたが、これまで作って来た車両の中でも際立った仕上がりを見せています。明日の実走による最終仕上げが楽しみです。