BMWのS1000XR

 本日は表題にあるBMWのS1000XRを50mmローダウンし、その車両が完成したので試乗を行いました。

 少し涼しいけれども好天に恵まれた中、バイクで走るのはとても心地の良い行為です。50mmのローダウンで身長165cmの私でも全く不安なく取り回せる様になったS1000XRですが、走らせてもかなり好感触です。

 短くなったストロークをしっかり使える様、前後ともにスプリングレートは上げました。ブレーキ、旋回、加速を過不足なくこなし、Uターンも気軽でした。

 ストロークが短くなりましたが、フロントフォークには不満がありません。ただ、リアは速度が高めで負荷の大きい段差を越えると、バンプラバーに接触しているのがわかります。この辺りは極端なローダウンを行った際に、厳しくなる局面です。

 電子制御のサスペンションに目をうつせば、切り替えスイッチで「ダイナミック」と「ロード」を選択可能です。ダイナイックの方が柔らかい様です。
 この仕様で少しキツめの減速から倒し込みを行うと、リアの接地が弱まり怖さを感じます。ロードでも若干不足気味なリアの伸び減衰は、ダイナミックではより顕著となります。
 正直、それ以外の場面で両者の明確な差は体感しづらいと言うのが、私の評価です。ただし走行距離は20km程度な為に、1日走ってツーリングを楽しめばまた違った評価がある様に思います。

 特筆すべきは強烈なエンジンです。S1000RRよりはかなりパワーダウンされていると思いますし、レブリミットも下がっている様ですが、不必要に速い様に感じます。低速のトルクはかなり好感をもていますが、高回転は恐ろしく速くて、この車体構成であれば120馬力くらいで十分だろと考えます。ただ視点(環境)を変えれば、速度無制限の場所では200km/hで巡航するにはこの出力があると便利なのかもしれません。

 そのほかグリップヒーターは強烈に暖かく、この辺りはBMWが昔から優れている点です。シフターも低速できれいに作動するし、全体的にとても良く出来たバイクです。

 この様な新しい車両を預けていただき、大きな改造を行えるのはとても幸せに感じます。そろそろ17年目になりますが、開業から1年くらいは大きな仕様変更の依頼もなく、現在の一月に何台もこの様な依頼をいただけるとは考えもしませんでした。有り難いことです。

 今後も質の高い仕立てを行えるよう、いろいろな環境を整備してゆきたいと思います。

 

 

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