NSR250SEのリアショックO/H

 最近一般的な作業は従業員に任せ、私は変わり種ばかり担当しているため、あまり取り上げる機会のないSHOWAの純正ショックを話題にします。

 NSR250SESPのリアショックはリザーブタンクと減衰調整機能があり、お金のかかったショックですがリザーブタンクでオイルとガスを仕切るのはブラダと呼ばれるゴム風船です。そのためガスが透過しオイル室へ逃げ込みやすく、長期間の仕様ではリアショックの動きが悪くなります。

 写真で分かる通り泡がとても多く発生しています。これは単純な経年劣化もありますが、この構造のダンパーでは割と顕著にります。改造する案として、ゴム風船からOリングでシールするフリーピストン構造へと改めれば、長持ちするようになります。

 シリンダーとピストンリング以外の消耗品はほぼ全て交換可能です。なるべく多くの部品交換を行い、良い状態で使えばサスペンション全体の動きが良くなります。さらにエア抜きをバキュームポンプと呼ばれる機械で行えば精度がより高まり、明らかに良くなります。

 アッパマウントは交換部品の設定がないために、使い続けるしかありません。ですがジュラコンと金属カラーの複合素材でブッシュを作れば動きが良く耐久性が高まるため、ここで質を高めることが可能です。多くの改良、改造を施すと価格も社外品に近づきますが、どうしても純正リアショックをベースに仕上げたい方は、一度相談してください。

 

 

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