BMW R12G/S スポーツ ローダウンの紹介
BMW R12G/Sスポーツ セッティング事例 ― LTD.Sで見えてきた“扱いやすいスポーツ性”
リード文
BMW R12G/Sスポーツのサスペンションセッティングを行いました。
今回の目的は「ローダウン」そのものではなく、BMWの体格基準(約95kg)から日本人体格(50〜70kg)に合わせた仕様づくりです。
車両を預かり、前後スプリング・ストローク・油面など詳細に計測。STD状態のハンドリングも確認し、今後の開発・要望に柔軟に対応できるベースデータを蓄積しました。
身長165㎝ 体重70Kg 股下72~73㎝
読者ターゲット
- R12G/Sスポーツの足つきや扱いやすさに不安がある方
- 欧州車の「設定体重が重すぎる」と感じているライダー
- 自分の体格に合わせた**“走れる足まわり”**を求める方
今回のセッティング方針
目的
ローダウンを主目的とせず、設定体重を日本人体格に最適化することで結果的に足つきと走行性能を改善する。
アプローチ
- 設定体重:95kg → 65kg相当へ再設計
- 前後サスペンションの実測値を取得し、STD特性を可視化
- バネ定数・イニシャル変更を中心に構成
これにより、「下げるために柔らかくする」ではなく、**“適正化によって結果的に下がる”**という理想的なセッティングを狙いました。
鍵となるリアショック
R12G/Sスポーツは18インチリアホイールを採用しており、リア車高が高く、旋回性にやや癖があります。
STDではスプリングが硬く、イニシャルも多めに掛かっており、特に中速コーナーでの切り返しがやや重い印象でした。
今回の対策として、
- スプリングレートを日本人体格に合わせて低めに変更
- イニシャルを適正化し、姿勢バランスを見直し
この調整で、旋回時の挙動が自然になり、“曲がる楽しさ”を取り戻したセッティングに仕上がりました。
実際の改善と解析
R12G/SはR12/R12Sと車体構造を共有していますが、オフロード仕様ゆえにダンパーストロークが長く、バネ定数も大きく異なります。
フロントフォークの確認
- ストローク量・油面・バネを分解測定
- 動きはオフロードらしい素直な作動
- 今回は「ロード主体の使用」を想定し、若干柔らかめに感じたため、ダイヤル調整で最適化
(バネ変更の必要はなし)
リアの効果
- シート高:875mm → 855mm(−20mm)
- 体重65kgのライダーが跨ると沈下量30mm → 合計で約50mmローダウン相当
- サグが正しく取れることで、追従性・乗り心地・内向性が大幅に改善
特にフロントの舵角が自然に入り、ノーマルで物足りなかった“内向き感”が復活しました。
注意して見ればわかる程度の違いですが、ライディング中は圧倒的に快適です。
更なる改善案と考察
身長165cmの私にとっては、あと少し足つきが良くなれば完璧です。
その理由は単なる安心感ではなく、**水平対向エンジン特有の「右方向への揺動トルク」**を受け止めやすくなるからです。
静止時に30〜40mmほど沈むよう設定すれば、発進時・エンジン始動時の安定感が格段に上がるでしょう。
また、前後のスプリング交換やバネレート調整を精緻に行うことで、
**体重に応じたカスタマイズ(50/60/70kg対応)**も実現可能です。
発展的アイデア ― “水平対向モタード”構想
作業の最中、従業員との会話で「このR12G/Sに前後17インチを組んだら…」という話題に。
もしR12Sのホイールがそのまま使えるなら、水平対向モタードとして非常に面白い車両になるでしょう。
現時点では妄想段階ですが、悦楽の一台になることは間違いありません。
費用と納期
- 施工内容:LTD.S仕様(リアスプリング交換・前後イニシャル変更・調整含む)
- 費用:約10万円(税込)
- 納期:車両預かり 約2週間
まとめ
R12G/Sスポーツは高い重心と独特の旋回特性を持ちながらも、セッティング次第でまったく別の乗り味を引き出せるバイクです。
今回の調整では、
- 体重に合ったスプリング
- 適正イニシャル
- 正しいサグバランス
これらを整えることで、快適性・操縦性・足つきの全てを同時に改善しました。
お問い合わせ(CTA)
体重や走り方に合わせたセッティングで、愛車の性能を最大限に引き出しませんか?
体重50kg/60kg/70kgといったように、個別の作り込みが可能です。
走る楽しみは倍増します。ぜひ一度ご相談ください。
- 電話:090-3316-5306
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