BWI(電子制御ショック)の依頼が急増中 フェラーリ ランボルギーニ

フェラーリ/ランボルギーニとBWIショックのいま

フェラーリ・ランボルギーニに限らず、ここ数年は輸入車用ショックの相談が途切れなく続いていますが、その中でも特に増えているのが、BWI製・磁性流体ダンパーのオーバーホール依頼です。いわゆるマグネライド系のショックで、内部に磁性流体を用いた電子制御式ダンパーになります。

対応が増えている車種たち ─ アヴェンタドールと各種フェラーリ

車種で見ると、ランボルギーニではほぼアヴェンタドールに集中しています。フェラーリ側はもう少し分散していて、458、ポルトフィーノ、599など、世代も用途も異なるモデルから幅広く相談が入ってきています。どれも高性能でありながら日常性も併せ持つグランドツアラーで、その足元を支えているのがBWIの磁性流体ショックというわけです。

故障パターンの変化:オイル漏れからエラーコードの時代へ

以前の一般的なダンパーであれば、「オイル漏れに気付く → オーバーホールに出す」という流れが分かりやすかったのですが、磁性流体ダンパーの時代になってからは少し様子が変わってきました。最近多いのは「メーターにエラーが出る → 診断機でチェック → 結果としてショック周りを疑う」というパターンです。そこからさらに詰めると、単純なオイル漏れなのか、電制系の異常なのか、あるいは両方なのか、といった切り分けが必要になります。

電子制御部は直せるのか ─ 現実的な線引き

では電子制御部分の修理が可能かと言えば、正直なところ「ケースバイケース」という表現が一番近いでしょう。コイルや配線、カプラー周辺のトラブルであれば手を入れられる余地がありますが、電子制御の核心部分は非常に微細な構造で、現実的には修理不能と判断せざるを得ないものも少なくありません。内部の基板レベルまで踏み込んで保証を伴う修理を行うのは、現段階では非現実的です。ただし、明らかに外的要因と思われる破損や配線起因の不具合など、一部の症状については対応可能な場合もありますので、ここは個別に状態を確認して判断することになります。

磁性流体ダンパーのオイル漏れO/Hについて

一方で、ダンパー本体のオイル漏れに関しては、従来のショック同様にオーバーホールが可能です。シールの劣化やロッド表面の傷に起因する漏れであれば、内部の洗浄・消耗品交換・再組み立てにより、本来の減衰特性に近い状態まで回復させることができます。磁性流体ダンパーであるがゆえの注意点はいくつかありますが、オイルシールからの漏れそのものは「手の届かない領域」ではありません。

納期の目安と作業フロー

納期については、車種や状態、電子制御部分の確認内容にもよりますが、概ね二〜四週間を目安としています。単純なオイル漏れのオーバーホールであれば比較的スムーズに進みますが、電制系の切り分けや追加検証が必要な場合は、その分だけ時間を頂くことになります。

費用と依頼経路 ─ エンドユーザー様へのお願い

費用に関しては、エンドユーザー様から直接のご依頼や価格のご質問にはお答えしていません。必ず、お付き合いのある修理工場様や販売店様を経由してお問い合わせいただく形になります。その上で、個別の状態に応じたお見積りを提示させていただきます。

まずは「O/H可能かどうか」を知るためのご相談を

ご自身のお乗りのフェラーリやランボルギーニで、「この型は対応できるのか」「BWIなのかどうか分からない」といったご相談は、いつでもお受けいたします。どこまでがオーバーホールの対象になり得るのか、どのような流れで進めるべきか、といった技術的な説明については、エンドユーザー様からの直接のご質問にも対応可能です。実際の作業依頼とお見積りは、これまで通り修理工場や販売店を通して進める形となりますが、その前段階での整理や判断材料が必要であれば、遠慮なくお問い合わせください。

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電話番号:090-3316-5306
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問い合わせフォーム:https://sgfacendo.com/contact/

ランボルギーニ、フェラーリともに、電子制御ショックは「壊れたら丸ごと新品」という選択だけではなく、適切なオーバーホールにより長く使い続ける道もあります。その可能性があるかどうかを見極めるところから、お手伝いさせていただきます。

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