CB1100RのリアショックO/H

ホンダ CB1100R リアショック再カシメO/H事例 ― 失われた機能を蘇らせる精密作業

リード文

ホンダの名車 CB1100R
当時の姿を今に伝える希少車ですが、そのリアショックは**カシメ構造(圧着組立)**のため、
一般的には「O/H(オーバーホール)が不可能」とされてきました。

今回は、弊社が10年以上前に技術開発した再カシメ技術を用い、
機能を完全に蘇らせるオーバーホールを実施しました。


CB1100R リアショック ― 構造と課題

CB1100Rのリアショックは、内部がカシメ(圧着)によって封入されており、
一度分解すると寸法が変化し、再組立が極めて困難です。
そのため、多くのショップが「対応不可」として断る構造です。

弊社では約10年前、独自の再カシメ製法を確立。
日本で初めて商業レベルで受注を開始し、以来、
国内外のCBオーナーから多数の依頼を頂いています。


O/H内容

今回の作業は、基本性能を取り戻すための消耗品交換と破損部の再製作

  • シール類やブッシュ類を新品へ交換
  • 摩耗・腐食していた部品を除去し、必要箇所をワンオフ製作
  • 外観はクリーニング仕上げに留め、オリジナルの風合いを維持

これにより、ダンパー特性・作動音・戻り速度すべてがリフレッシュされ、
新車当時のようなスムーズな動きを取り戻しました。


技術的な難しさと精度管理

カシメは「金属を曲げて組み立てる」方式のため、
一度開くと必ず寸法変化が発生します。

弊社では、これを補正するために
各部の足し算・引き算の誤差管理をミクロン単位で行い、
自由長(ショック全長)を変化させずに再組立を実現しています。

また、カシメは再利用できる回数に限界があるため、
1回目の再カシメ時点で「2~3回の再施工が可能」な寸法余裕を設けています。
仮にトラブルが発生しても、再度分解・修正対応が可能です。

さらに、より長くメンテナンスを続けたい方には、
**“回数制限を取り払う特別施工”**も用意しています。
この方法により、以後は制限なくO/Hが可能になります。

 


費用と納期

  • 作業内容:O/H+再カシメ+ロッド再メッキ+消耗品交換(ブッシュ含む)
  • 費用目安17〜20万円(税込)
  • 納期:部品調達・加工を含めて個別にご案内

まとめ

カシメ型ショックは構造上「使い捨て」とされがちですが、
正確な寸法管理と再カシメ技術により、再生は可能です。
今回のCB1100Rのように、貴重な名車のオリジナル部品を残しつつ性能を蘇らせることができます。

“直せない”を“直せる”に変える。
それが、弊社が10年前から積み上げてきた再カシメ技術の価値です。


お問い合わせ(CTA)

CB1100Rや旧車のカシメ型ショックO/Hでお困りの方は、ぜひご相談ください。
再カシメ、再メッキ、部品製作まで一貫対応いたします。


※メーカー保証に関しては取り扱い店、ディーラーにより対応が異なるため、購入店またはお取引のある店舗へご確認ください。

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