LGN ローダウン仕様のサーキットテスト
10/22 那須スポーツランド|CRF450RモタードでLGNを再検証──2026年に向けた“走るためのローダウン”改良計画
リード
2025年10月22日(那須スポーツランド/グリップ商事様 走行会)に、昨年に続きCRF450Rモタード仕様で参加します。
この車両は元・全日本ライダーの練習機で、私(新保)が譲り受けて練習兼LGNテストベッドとして使ってきた一台。昨年は雨天での検証を通じ、「下げてもストロークを殺さない=LGNの有用性」を強く再確認できました。
今年は仕様変更/作動性の底上げ/組付け品質の再徹底をテーマに、来年のバージョンアップへ繋ぐ検証を行います。参加は私(新保)、従業員の中村、そして20年来の付き合いで経験豊富な中村氏のご尊父です。
読者ターゲット
- 「下げる=曲がらない/突き上げる」を避けたいが、足つきも妥協したくない方
- 開発・検証プロセスや**品質管理(組付け精度)**にも関心がある方
背景と狙い
- 昨年の雨天検証で、LGNは“下げても使えるストロークを確保”できることを再実証。
- 今年は**乾湿どちらでも安定する“汎用域の作動性”**を上積みし、来年のLGNアップデートに反映。
- あわせて、今年発生した組付け時のミス(傷のご指摘等)を重く受け止め、**作業品質を再設計(手順・検査・記録)**します。
テスト計画(仮説→検証のフレーム)
1. スプリングレートの適正化
仮説:昨年感じた「硬さ」は、初期から中期にかけて必要反力の立ち上がりが強すぎることが要因。ウェット路面に溝付きレースタイヤという悪条件であった事も考慮に入れて、スプリングレートを再検証。
- 対策案
- 前後ともにレートの段階的ダウン案を用意(±0.2〜0.4 kgf/mmレンジで比較)
- 油面(エアスプリング)変更で中〜後半の踏ん張りを補正
- 実効ストロークの活用を意識したトップアウト側の管理
- 評価指標
- 進入~切り返しのフロント姿勢再現性
- 立ち上がりでのリア接地感とトラクション回収速度
- タイムの安定幅(±)と体感負荷(疲労)
2. 一般メンテナンスの“基準化”
- 交換:チェーン・スプロケット・油脂類は新品で基準化
- 狙い:コンディション差による評価バラつきを排除し、サスの差だけが見える状態を作る
3. 来年へ向けた素材検討
- 摩擦係数・耐熱・耐摩耗の観点で、摺動部材質やコーティングを選定
- 狙い:低荷重域での微小作動の再現性を高め、グリップ変動時の追従性を底上げ
4. 組付け作業の品質向上(再発防止設計)
- 反省:本年、組付けミスに起因する傷等のご指摘を複数台で受領。重く受け止め、作業設計を刷新。
- 再設計内容
- **“3Cチェック”**の導入:Clean(清潔)/Cover(養生)/Confirm(確認)
- 工具・治具の絶縁保護/接触リスクの可視化(当て木・スリーブ・テープ)
- 締結部のUVマーキングで締め忘れゼロ化
- 完成検査(外観+機能)を別担当でクロスチェック
- 記録:組付け前後の写真ログと点検チェックリストを保管
- 目的:“速さ”と同列に“信頼”を獲得する。
期待する成果(KPI案)
- 再現性:セットA⇄Bでの挙動差が説明可能(因果が言語化できる)
- 安定度:連続周回の**±誤差が縮小**(疲労少/握り替え少)
- 適応力:路面変動に対する追従性・回復性の向上(雨/低μも視野)
スケジュール
- 10/22 走行会当日:午前=基準セット確立/午後=比較テスト
- 以降:データ整理→来季LGNアップデート案の一次試作へ
昨年の学び(要点)
- 雨天でも“使えるストローク”が残ると、リスクを下げつつ速度を乗せられる
- 「下げる=突く・曲がらない」を設計で回避できるのがLGNの強み
- ただし、**作動性のベース(摩擦・剛性・組付け品質)**が伴わないと、理論値は現場で再現されない
今年の改良テーマ(要約)
- バネ×油面×トップアウトで**“実効ストローク”の可用域**を広げる
- メンテで基準化し、評価の再現性を担保
- 素材/処理で低荷重域を磨き、荒れた路面でも滑らかに
- 組付け品質を再設計し、信頼を“数値化”して積み上げる
まとめ
ローダウンは“足つき”のためだけの処方ではありません。
“下げても使えるストロークを残す”という発想で設計すれば、走るための幾何と作動は両立できます。
今年の那須でも、速さ×信頼×再現性をテーマに一歩ずつ積み上げ、2026年仕様のLGNへ繋ぐ技術的な根拠を持ち帰ります。
お問い合わせ(CTA)
O/H、セッティング変更、ローダウン(LGN/LTD)のご相談はお気軽に。
- 電話:090-3316-5306
- LINE:@llv7594i
- お問い合わせフォーム:https://sgfacendo.com/contact/
ローダウンを常に進化させるのが現在の使命だと心得て、少しずつでも歩みを止めず、高い質を提供できるよう励みます。
※メーカー保証に関しては取り扱い店、ディーラーにより対応が異なるため、購入店またはお取引のある店舗へご確認ください。