セッティング依頼
印西市に住む方の依頼で、YZF-R1のサスペンションセッティングを行いました。
私は街乗り車両のセッティングを行う際は、走り出す前にまたがった状態でサスペンションを動かし、印象を伝えます。例えば「この様な動きをする車両はアクセルを開けた時は安定感が無い」とか、「進入の向きが変わりやすい」などです。そこで私の印象を伝えお客様の印象とすり合わせを行い、私の考える方向性へ実際に調整しから乗って頂きます。
そこで以前との差異を理解頂き、良い方向に向かっていれば更にセッティングを進め、より良い状態を探ります。
写真のR1はお越しく下さった時に、フロントが動かずにリアが大きく動く状態でした。分かりやすくで表すと、特別な操作をしなくてもバイクが勝手にインへ向かう仕様です。反面、加速体制では神経質になるだろうと想像できました。そのため先ずはリアの動きを抑え、そこからフロントを合わせ込むように変更して行きました。
仕上がった状態は、中級者向けのセットとしました。ライダーが自分で操作しなければ曲がらない車です。逆にライダーの操作に対する自由度、許容度は大幅に上げてあります。お客様との約束で、それがなぜ中級者向けなのかの具体的な説明は避けます。お客様の操縦技術が向上すれば、その答えは自ずと理解できるはずだからです。言葉で説明すると知った気になってしまうのですが、大切なのは体で知る事だと思います。
普通であれば車両の解説とセッティングなどを含め、おおよそ1時間程度で終ります。現在は試験期間のため、前述の内容で1万円頂いております。年内はこの価格でセッティングを行います。
余談ですが、この車両は200万円前後の価格だそうです。しかし、10年前のスーパースポーツとは雲泥の差がある仕上がりでした。純正のサスペンションでも調整次第でこれだけ楽しく乗れるようになるとは、最近のメーカーは素晴らしい仕事をすると感心した次第です。