R12G/Sスポーツ 走りの追求
BMW R12G/Sスポーツ ― その本質に迫る
リード文
BMW R12G/Sスポーツ。
この車両に触れて最初に感じたのは「本来は17インチ用の設計ではないか」という直感でした。
理由は単純で、走行中の車体姿勢や旋回特性から、**18インチのリアホイールが生む“高さと癖”**が明確に見えてくるからです。
本稿では、その構造的特徴と改善の方向性について、技術的視点から掘り下げていきます。
R12G/Sスポーツの姿勢バランス
リア18インチを採用するスポーツモデルは、明らかにリア車高が高い。
この「高さ」は見た目ではなく、**動的姿勢(走行中の車体挙動)**で評価すべきです。
- 倒し込み時の前後タイヤの整列具合
- 直進からの減速におけるピッチングセンターの位置
- バンク角に対する舵角反応の鈍さ
これらから見えてくるのは、リアの過高による旋回初期の内向性不足です。
R12G/Sスポーツは倒し込みで前輪が地面に引かれるような挙動を見せ、
「バイクが勝手に倒れていく感覚」を持つライダーも多いでしょう。
改善の要点 ― 八対二の法則で考える
根本的な解決策はリアショックのスプリング交換です。
多くの問題は「2割の費用で8割が改善できる」と言われますが、まさにその代表例。
リアのスプリングレートとイニシャルを見直すことで、
- 車体姿勢の是正
- 旋回初期の内向性向上
- ピッチングバランスの安定
といった効果が得られます。
一方で、残りの「2割の領域」を仕上げるためには、**さらなる投資(8割のコスト)**が必要になります。
次に手を入れるべきはフロントスプリング。
これは「もう一段上の贅沢仕様」と言える領域で、
セッティングという“道”を極めていく人が踏み入れる世界です。
そこから先は、まさにセッティング沼と呼べる領域でしょう。
ハンドリングはスプリングが作る
これまでにも何度も述べてきたことですが、
設計上の剛性や作動性といった構造要素を除けば、
サスペンションの性格を決めるのはスプリングそのものです。
今回のR12G/Sでも、リアスプリングの変更だけで別のバイクのような動きになりました。
例えば、10/11/12kgf/mmといった大まかな段階ではなく、
10.5・11・11.5kgf/mmのように細やかな刻みで仕上げると、
減衰を変えたかのような豊かな動きを示します。
0.25kgf/mm単位で詰めていくと、
“ゆったり”とした沈み込みと、“素早い”戻りの両立が可能になります。
一見、相反するようなこの挙動が共存する瞬間こそ、
スプリングが持つ“機械的芸術”の領域です。
まとめ ― 17インチ化という仮説と可能性
私見では、R12G/Sスポーツの基本設計は17インチホイールで最も自然なバランスを示すと考えています。
現行の18インチ仕様ではリアが高く、
旋回時にライダーが無意識に修正舵を入れてしまうような挙動が生まれます。
もし将来的に17インチ仕様へ変更する機会があれば、
そのとき初めてこの車両が持つ真のロードスポーツとしての完成形が見えてくるかもしれません。
お問い合わせ(CTA)
R12G/SやR12スポーツで、より扱いやすく、より楽しいハンドリングを求める方へ。
スプリングレート・車高・体格に合わせたセッティングをご提案します。
ぜひ一度ご相談ください。
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