ZX636の前後ショックO/Hと仕様変更 ある意味でLTD(ローダウン)
ZX-6R(636) セッティング事例 〜STDから一歩踏み込んだ走りの追求〜
リード文
サスペンションは「走りの質」を決定づける大きな要素です。
今回は、カワサキZX-6R(636)のフロントフォークとリアショックを中心に、STDから仕様変更を行った事例をご紹介します。
単なるオーバーホールに留まらず、実効ストロークの確保や減衰力の調整を行い、走りを追求しました。
読者ターゲット
- ZX-6Rオーナーで「STDセッティングに不満」を感じている方
- サーキット走行やスポーツライディングでセッティングを詰めたい方
- 単なるO/Hではなく「自分仕様の足まわり」を求めている方
フロントフォークのSTDと対策
STDの特徴
- バネは柔らかめ
- 反してトップアウトスプリングは硬く、リバウンド側が活かしきれない
- 減衰力自体は極端ではないが、効く速度域が街乗りの感覚とはずれている

対策
- メインスプリングを硬めに設定
- トップアウトを柔らかくして「実効ストローク」を大きく活用
- 減衰力はシム組み換えで“彩度のコントラスト”を調整
👉 ダイヤルで調整できない領域を根本から見直し、狙い通りの動きを得られるフロントへ
リアショックのSTDと対策
- フロントに比べてSTDのリアは良好で、体重や走り方が合えば十分機能する
- 今回はお客様の要望を反映し、指定スプリングレートを組付け
- やや硬めの設定だが、イニシャルと減衰の組み合わせで十分まとめられる
👉 リアはSTDの良さを活かしつつ、フロントの改善によりバランスが最適化
実際のセッティング
- STDではフロントが柔らかく低い → 十分な反力が得られず、リアの良さを引き出せない
- 仕様変更後は速度に応じて狙い通りのフロント高さを確保 → リアの自由度が向上
- 15分程度でベースセットを構築(経験とデータの蓄積により迅速化)
- お客様自身がデータを取りながら調整できるため、角のないベースセット・80点仕様に仕上げた

走りのインプレッション
- ブレーキで狙った高さを出し、倒し込みで前後が揃う
- アクセルを開けるとスムーズにリアに荷重が移行
- 低速から高速まで均等に揃った荷重移動で気持ちの良い走りを実現
👉 初期はダイヤル最弱・スプリング主体で詰め、最後に減衰力に手を入れる、スプリングの良さを引き出し、最後に全体の角を取りまとめる手法を採用
LTDとの関連性(余談)
今回はローダウンを主目的としていません。
しかし、スプリングとイニシャルの調整により足つきが若干向上。
これは弊社が推進している**スポーツローダウン「LTD.S2.2」**に通じる要素があるといえます。
費用と納期
- 金額:20〜25万円(O/H、スプリング交換、減衰力仕様変更を含む)
- 納期:約4週間
まとめ
ZX-6R(636)はSTDでも十分走れるバイクですが、フロントの詰め切れない部分を改善することで、リアの良さを引き出せます。
結果として、滑らかな荷重移動と自在な操縦感覚を得ることが可能となりました。
走りをさらに高めたい方には、今回の事例のような根本的なセッティング変更が大きな価値を持ちます。
お問い合わせ(CTA)
O/Hやセッティング変更をご自身の車両でも試してみたい方は、ぜひご相談ください。
- 電話:090-3316-5306
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※メーカー保証に関しては取り扱い店、ディーラーにより対応が異なるため、購入店またはお取引のある店舗へご確認ください。