スズキ Vストローム250SXのローダウン
近年の車両はシート高があるので、170cm以下の身長ではやや厳しい方が多いのが実情です。
写真のお客様は身長168cmです。
とくに生活習慣の違いからか、若年層では同じ身長でも足が長い方も多く見かけますが、1980年代くらいまでは純日本人体系で、足つきに関しては厳しかたも多くいます。
そこで足つきを大幅に向上させつつも、操安性と快適性を向上させるローダウンが”新世代のローダウンLGN”です。
LGNについてはこれまでに数多くのブログや動画で説明を行ってきましたが、今回は初の小排気量に対して実施しました。
そこでVストロームSX特有の課題はどのような点にあったかを紹介します。
1 小径フロントフォーク
2 リンクなしのリアショック
3 スプリングレート
4 サイドスタンド
1 小径フロントフォーク
排気量としては十分な剛性を持つφ41インナーチューブですが、それが正立ともなると外径は41mmでも内径はより小さくなります。
LGN専用部品を新規に起こし、それに対応しました。また純正のフォークスプリングは0.8K(7.5Nm〜7.8Nm)ほどで排気量、車格とオフロードも視野に入れた車両としては割合に硬めです。
それでも50mmのローダウンともなると0.8Kgf/mmではやや柔らかいかもしれません。LGNでは多様な手法でそれに対応しています。
2 リンクなしのリアショック
リンクのないリアショックだとレバー比は高めの傾向になります。ダンパー自体のストロークが小さいため、少しの計算間違いが大きく影響を及ぼします。
そこでイニシャル量と下げ幅にスプリングレートを細かく掛け合わせ、求められる数値を算出しました。さらに部品製作に関しても合計の誤差を0.1mm以下としております。
3 スプリングレート
1でも言及しましたが、特にリアのローダウンは大幅な定数の増加が求められることとなりました。信頼できる日本製スプリングで、その難しい要求に応えます。
日本発条・SWIFTと呼ばれるメーカーです。LGNでは特に同社の製品がその動きに合っており、好んで用います。BESTEXというメーカーも良いのですが、今後の長期的な継続販売に難があり、現在ではSWIFTに落ち着きました。
4 サイドスタンド
50mmも下げるのでだれば、加工や交換は必須となります。発売後それほど時間の経っていない車両のため、社外品は見つからなかったため純正を加工して、LGNに対応させました。
サイドスタンドのショート加工は弊社の得意分野でもあり、鉄でもアルミでも加工可能です。
といわけで今回はVストローム250SXのLGN概要を紹介しました。価格は車両預かりで約税込22万円となります。
大幅な足つきの向上にお客様も大変満足していただけました。
高額ではありますが、その価格に見合った下げ幅と、ハンドリング、乗り心地を求める方は是非、弊社のLGNを体感してください。