ハーレーダビッドソン XLH883のリアショック
弊社では10年前にカシメ型のO/Hを開発し、これまでに多くの作業を行ってきました。
ハーレーダビッドソンのXLH883など、90年代以降のリアショックにも、このカシメ型が採用されています。これらの車両でも、部品としての需要が高まり、O/Hの要望が増えています。
カシメを行うと、簡単には分解できません。そこで、ロッドには再メッキを施し、交換可能な部品は入れ替えます。ピストンはSHOWAカシメ型で、一般的な形をしています。このダンパーの基本的な仕組みは、カートリッジ式フロントフォークと同様です。ショックユニットに詳しい方なら、副筒式と言えば伝わるでしょう。
組み立て時には、緩みを防止するために廻り止めナットを使用します。さらに、ロックタイトも併用し、万全を期しています。ナットの締付けには、トルクレンチを使用し、安定した軸力を確保します。ここの締め付けが変わると、ダンパーの動きに違いが生じるため、安定した同じ力で締め付ける必要があります。
部品を組み込み、再カシメを終えました。当然ですが、ショックユニット全長に変化はありません。
外観は、純正をほぼ保ったままのO/Hが可能になっています。
純正の部品をそのまま使用したい、社外品を買うほどではないがO/Hは行いたい、または業者の方では中古販売の修理として行いたいという希望にお応えします。
これまでよりも手順を見直し、若干安価に作業が可能となりました。80年代後半~90年代前半の車両では、作業工賃を約3万円削減することに成功し、O/Hをより身近に行えるようになりました。
O/H、再メッキを含む費用は税抜きで約9万円です。
またZ1などの旧車については、再利用可能なKONIタイプへの加工も行えます。新たな依頼があったため、改めて記事にしますので、お待ちください。