サスペンションセッティングやローダウンにおけるバネの必須知識

サスペンションセッティングやローダウンにおけるバネの必須知識

LGN がローダウンしても ハンドリングを磨ける理由 は、数式で計れる硬さライダーが感じる硬さを分けて設計しているから。
本稿は ばねの役割 → 体感硬さの正体 → セッティング手順 を5分で整理し、愛車カスタムの判断基準をクリアにします。


1.バネの基本任務は 2 本柱だけ

役割 中身 キーワード
① 緩衝 路面入力を蓄勢 → 放出して加速度をやわらげる 衝撃吸収・路面追従
② 荷重支持 車両+ライダー重量を支え、狙った車高・ジオメトリを作る サグ・姿勢

「接地性」「ピッチング制御」などは、上記 2 役割をどうチューニングするかの応用編と言えます。


2.“硬さ”には 2 つある

視点 定義 プリロードの影響 代表フレーズ
数学的硬さ ばね定数 影響しない 「9 N/mm のばね」
体感硬さ 与えた入力で実際に動いた量 大きく影響 「突っ張って動かない=硬い」

具体例
線形ばね 9 N/mm に 100 N を掛けると 11 mm 沈む(数学的硬さは一定)。
しかし プリロード 10 mm を足すと、同じ 100 N では 1 mm しか動かず、ライダーは「ガチガチで硬い」と感じる――これが体感硬さです。


3.二輪車がバネに求める 4 つの実務要素

要素 目的
接地荷重確保 タイヤが凹凸で浮かない
姿勢・ジオメトリ維持 キャスター角・前後荷重を設計値へ
ピッチ/ロール制御 ブレーキダイブ・加速スクワット最小化
固有振動数設定 1 – 1.5 Hz で快適帯域に合わせる

4.セッティングはこの順で詰める

  1. レート選定
    車重・用途からベース レート を決定。
  2. プリロード設定
    静止サグ 25–35 % に合わせ “可動ストローク” を確保。
  3. 残ストロークと減衰マッチ
    底突き/伸び切が出ない範囲で伸び・縮み減衰を詰める。
  4. 実走テスト → 微修正
    体感硬さが狙いどおりか確認し、レート or プリロードを微調整。

5.LGN がやっていることはシンプル

  1. 最適レートを再選定
  2. プリロード最小化(静止サグ適正化)
  3. 減衰をマッチング

だから ローダウンで−50 mm でもストロークが“生きたまま”――
これが LGN(Lodown Generazione Nuova / 新生代ローダウン) の哲学です。


まとめ一句

数式が示す硬さはばね定数で決まる。
だがライダーが感じる硬さはプリロードと作動域で変わる。

レート・プリロード・減衰を三重奏で整えれば、ローダウンしてもハンドリングは磨ける。


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