フェラーリ456GTのビルシュタインをO/H

 当社の十八番ともいうべきBilsteinのショックをO/Hしました。

 以前は調整ダイアルのオイル漏れで四苦八苦したのですが、今年に入ってから問題点を洗い出すことに成功して、根本的な解決策を講じられるようになりました。

室内からリモートコントロールが可能。

 かなり入り組んだ箇所の部品を交換しなければならず、なれるまでに少々時間を要しましたが、今回の作業からは大幅な時間短縮を達成できました。

 他は手慣れた作業で、すでに456GTのビルシュタインは20台分以上を手掛けています。そのため交換部品は常に在庫をしており、納期は約1月程度で終わります。

ピストンリングも交換。

 オイルシール、ガイドブッシュ、ピストンリングにOリングが主な交換部品です。456のリアは車高調整機構が備わっており、ステアリングの油圧機器と連動しています。そのためダンパ単体ではオイル漏れ確認が行えないため、ジグを作り圧搾空気による漏れ確認を全数行い、品質を高めています。

圧搾空気による試験。

 今回も同試験を済ませたあとで出荷の運びとなりました。

 ロッドの再メッキ

表面はハードクロームメッキ。

 上の写真から分かるように、やや黒ずんでいる箇所が当たりが強く摩耗しています。

この写真でもロッド中央がやや変色しています。

 ビルシュタインの純正ではなく、当社でO/H依頼を数多く受けている理由の一つに、減衰調整機構をそのまま活かせる点にあります。

 メーカー純正のO/H作業では、ロッドが傷むと交換となり減衰調整が使えなくなります。固定減衰となるため、使い勝手が悪くなります。456は乗ってみるとわかりますが、この調整機構で大幅に乗り心地が変わりますので、乗り手の楽しみが広がります。

減衰力 最強状態。
減衰力 中間。
減衰力 最弱。

 写真で分かるように、ダイアルを動かすと通路が閉じたり開いたりして、流量が変化します。せっかくの機構は大切に使えるようにしたいと希望される方は多くいらっしゃるようです。

コチラは再メッキを行ったロッド。

 当社ではロッドは再メッキを施して、再利用を可能にします。部品の精度はBilsteinに習い1/100mmまで同じ寸法に仕上げますので、欧州メーカーの造り込みを保持したままの仕上がりが可能です。

 最後に
 当社では四輪車のショックに関しては販売店や修理店を通して依頼を受け付けておりますので、価格や納期に関しての質問は受け付けておりません。

 技術面や「このショックはO/Hかのうか?」のような質問であれば返答致しますので、気になった方は問い合わせ下さい。

1 Comment

Join the discussion and tell us your opinion.

Ferrari F355のビルシュタインO/H – セイクレッドグランド【SACRED GROUND】reply
2024年11月1日 at 8:01 PM

[…] 4:フェラーリ456GTにも同じビルシュタインのショックが採用されており、お客様からの要望に応じて減衰力を調整するシムを組み替えることで、走行性能をカスタマイズしています。たった0.05mmのシム変更であっても、車の挙動やドライビングフィーリングが大きく変わり、お客様の満足度を高める結果となっています。 […]

Leave a reply