マルゾッキのフロントフォーク、注意点
ドカティの車両に用いられるマルゾッキのフロントフォークを作業していました。
このフロントオークはかなり特殊なので、分解時には注意が必要です。
分解時に伸び減衰調整のダイアルを抜き取ると、バキュームポンプを使ってエア気抜きを行わなければ、性能を元に戻せなくなるからです。
私自身も始めて同フロントフォークを分解した際、知らずに調整ダイアルを抜き取ってしまったため、余計な作業が増えました。
私は専業で工具もアダプタも持っていたから良いものの、整備手順書を持たず知らないで作業を進めると手痛い目にあいますので、皆さんも自分で作業を進める際には注意して下さい。
このフロントフォーク。カートリッジが密閉型という点も面白いのですが、特筆すべき点はインナーチューブがアルミだという部分です。
剛性を確保する必要があり、肉厚は鉄系に比べ厚いので極端に軽量化は達成出来ていませんが、それでも通常のインナーチューブよりは軽量です。
その昔ホンダのワークスマシーンであるNSR500は、アルミのインナーチューブにカーボンを巻くという手法が用いられていました。90年代半ばでもかなりの試行錯誤があったようです。
このマルゾッキも意欲的な作りだと思います。