ミナルディのF1用Quantumショックから読み解けること
ミナルディF1チームのクアンタムショックの分解とその所感
ミナルディF1チームのクアンタムショック分解作業の幸運
ミナルディというF1チームが使用していたクアンタムショックを分解する機会を得ました。この作業は非常に興味深いものであり、多くの学びを得ることができました。
基本的な部品構成と作り
クアンタムショックの基本的な部品構成や作りは、一般的なクアンタムとほぼ同じでした。具体的には、シリンダーとシリンダーヘッド(ピロボールが収まる部分)が一体型であり、この点では通常品とは異なりますが、一体型シリンダー自体はそれほど珍しいものではありません。これは、小型化のためにコストをかけて作られていることを示しています。
ピストンのデザインと減衰調整の特徴
ピストンのデザインも特別な仕掛けはなく、一般的なものでした。しかし、減衰調整のニードルには特筆すべき点がありました。同軸に2系統の調整があり、写真でわかる通りニードルが2本あることが特徴です。この2本のニードルは、それぞれ異なる領域を受け持ち、個別に調整が可能です。これは当時としてかなり凝った作りでありながらも、特殊性は認められません。
結論:ショックの内部構造とその普遍性
分解を通じて感じたことは、二輪四輪問わず、ショックの内部構造は後年になると見慣れたものが多いということです。開発当時は一般的ではなかったものが、数年経つと普通に感じることが多いです。これは、市販車と共通する部品が多いことからも言えることです。
ワークスマシンのショックと市販車の共通点
二輪車の前後ショックに関しても、ワークスマシンのショックを分解した経験がありますが、その内部構造は意外と普通であり、市販車と共通する部品が多いことに驚きました。これは、ワークスマシンの特筆すべき性能が、一つ一つの部品が飛び抜けて凄いわけではなく、ライダーやドライバー、チームや協力会社の技術や情報の蓄積が大きいことを示しています。
自車両を高みに仕上げるためのポイント
ご自身の車両をより高みに仕上げたいと考えるのであれば、良質な部品を選びつつも、長い時間をかけて自分のセッティング能力と部品の調整を続けることが重要です。市販車とワークスマシンの部品の違いは、必ずしも性能差を生むものではありません。むしろ、日々の調整やセッティングの積み重ねが、最終的なパフォーマンスを引き出す鍵となります。
まとめ
ミナルディF1チームのクアンタムショックを分解することで、ショックの内部構造やその普遍性について多くの学びを得ました。良質な部品を選び、長期間にわたって調整を続けることが、最終的なパフォーマンス向上につながることを改めて認識しました。自分の車両を最高の状態に仕上げるためには、技術や情報の蓄積が不可欠であると感じました。