2019年式アベンタドールS BWIの電制ショック
2019年式アベンタドールSの磁性流体ショック(BWI)
2019年式アベンタドールSには、BWI製の磁性流体ショックが採用されています。これはフェラーリ599のものと基本構造は同様ですが、細部に違いがあります。以下に、磁性流体ショックの仕組みと特性について詳しく説明します。
磁性流体の特性
磁性流体は、細かい金属粒子とオイルの複合体です。通常時は液体状ですが、磁場をかけると粒子が磁場に沿って並び、流体の粘度が急激に増加し、固体のような性質を持つようになります (Wikipedia)。
ショックアブソーバー内での動作
ショックアブソーバー内で磁性流体が使用される理由は、その粘度を磁場で迅速に調整できるためです。これにより、走行中の車両の動きに応じて最適な減衰力を提供することが可能となります。
オイル漏れの問題
アベンタドールSの磁性流体ショックにおいて、オイル漏れが発生した場合、オイルのみが外部に漏れ出し、金属粒子はショック内部に留まります。この結果、ショックアブソーバー内の流体がなくなり、固体の金属粒子のみが残ることになります。これにより、ショックは正常にストロークしなくなり減衰力を失い、フリーピストンのみが動くことになります。その結果、サスペンションはバネのみで支えられ、快適な乗り心地が失われます。
今後の対策
磁性流体ショックの特性を十分に理解し、定期的なメンテナンスやオイルの状態確認を行うことで、これらの問題を未然に防ぐことが重要です。オイル漏れを早期に発見し対処することで、ショックアブソーバーの性能を維持し、最適な走行フィーリングを保つことができます。
現在、磁性流体のO/Hに関する技術やデータを蓄積しており、商業ベースに載せられようO/Hの手段を模索しております。素手に3セットほどテストで作業を進め、開発を終え次第ブログ等で紹介します。お待ちください。